漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 159

2023-09-22 05:21:31 | 貫之集

十一月、葦刈りつみたるところ

なにはめの ころもほすとて かりてたく あしびのけぶり たたぬひぞなき

難波女の 衣ほすとて 刈りてたく 葦火の煙 立たぬ日ぞなき

 

十一月、葦を刈って集めているところ

難波の女性が濡れた衣を干すために、葦を刈って焚く火の煙が立たない日はない。

 

 「難波女」は、難波の海の海女を指す言葉。その仕事には一日の暇もないありさまを詠んだ歌です。
 この歌は、新古今和歌集(巻第十七「雑歌中」 第1593番)に入集しています。