漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 385

2024-05-05 05:53:47 | 貫之集

あめなれど しぐれといへば くれなゐに このはのしみて ちらぬひはなし

雨なれど しぐれといへば 紅に 木の葉のしみて 散らぬ日はなし

 

同じ雨で時雨となれば、木の葉が紅に染まって散らない日はないのであるよ。

 

 384 に付された詞書「九月」はこの 385 及び次の 386 の三首に共通です。「しぐれ」の語も共通しており、同じ屏風絵に付された歌なのでしょう。