漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 404

2024-05-24 05:22:58 | 貫之集

桜の花の散るを見たる

ちりまがふ いろをみつつぞ なぐさむる ゆきのかたみの さくらなりけり

散りまがふ 色を見つつぞ なぐさむる 雪のかたみの 桜なりけり

 

桜の花が散るのを見た

桜の花が散るのは惜しいことだが、白い桜が散るさまは雪と見紛うほどで、雪のかたみだと思えば心が慰められることであるよ。

 

 桜を雪と見立てるのは古典和歌の常套手段ですが、あふれるような深い想いが込められた詠歌ですね。