漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 406

2024-05-26 04:46:30 | 貫之集

四月、池のほとりの藤の花

みなそこに かげさへふかき ふぢのはな はなのいろにや さをはさすらむ

水底に 影さへ深き 藤の花 花の色にや 棹はさすらむ

 

四月、池のほとりの藤の花

水底に藤の花が深い影を映している水面に、藤の色にも棹をさして舟は進んで行くのであろうか。

 

 「影さへ深き」は、水が深い上に藤の色も深い、ということでしょう。水面の上方には実際の藤の花があり、それが水面に色濃く映っている中を、小舟が棹をさして進んで行くさま。とても風情と情緒ある情景が浮かんで来ますね。 ^^