漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 382

2024-05-02 04:58:24 | 貫之集

男、旅のやどりに鹿の鳴くを聞く

なくしかは つまぞこふらし くさまくら ゆくたびびとに こゑなきかせそ

鳴く鹿は 妻ぞ恋ふらし 草枕 行く旅人に 声な聞かせそ

 

男が旅の宿で鹿が鳴くのを聞いている

鳴く鹿は、妻を恋しがっているらしい。独り寝の旅人にそんな声を聞かせないでほしい。

 

 「草枕」は「旅」にかかる枕詞。第四句は写本によっては「ゆくたびごとに」とされています。