三月尽くる日
こむとしも くべきはるとは しりながら けふのくるるは をしくぞありける
こむ年も くべき春とは 知りながら 今日の暮るるは 惜しくぞありける
三月の終わる日
また来年も来るはずの春だとは知っていても、三月末日の今日という日が暮れて春が終わってしまうのは、名残惜しいことだ。
894 にほとんど同趣旨と思われる歌が出てきます。下二句が同一など、言葉もかなり共通していますね。
こむとしの ためにはいぬる はるなれど けふのくるるは をしくぞありける
来む年の ためにはいぬる 春なれど 今日の暮るるは 惜しくぞありける