漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 405

2024-05-25 04:50:23 | 貫之集

三月尽くる日

こむとしも くべきはるとは しりながら けふのくるるは をしくぞありける

こむ年も くべき春とは 知りながら 今日の暮るるは 惜しくぞありける

 

三月の終わる日

また来年も来るはずの春だとは知っていても、三月末日の今日という日が暮れて春が終わってしまうのは、名残惜しいことだ。

 

 894 にほとんど同趣旨と思われる歌が出てきます。下二句が同一など、言葉もかなり共通していますね。

 

こむとしの ためにはいぬる はるなれど けふのくるるは をしくぞありける

来む年の ためにはいぬる 春なれど 今日の暮るるは 惜しくぞありける