八月十五日夜
ももとせの ちぢのあきごとに あしひきの やまのはかへず いづるつきかげ
百年の 千々の秋ごとに あしひきの 山の端かへず 出づる月影
八月十五日夜
百年たってもかわらず、秋が来るたびに同じ山の端から昇る月影であるよ。
十五夜の美しい月を詠んだ歌。
「千々」「秋」「月」と来れば、良く知られた百人一首(第23番)の歌が思い出されますね。
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
月見れば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
大江千里
(古今和歌集 巻第四「秋歌上」 第193番)