漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 397

2024-05-17 05:48:02 | 貫之集

八月十五日夜

ももとせの ちぢのあきごとに あしひきの やまのはかへず いづるつきかげ

百年の 千々の秋ごとに あしひきの 山の端かへず 出づる月影

 

八月十五日夜

百年たってもかわらず、秋が来るたびに同じ山の端から昇る月影であるよ。

 

 十五夜の美しい月を詠んだ歌。
 「千々」「秋」「月」と来れば、良く知られた百人一首(第23番)の歌が思い出されますね。

 

つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

月見れば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど

 

大江千里

(古今和歌集 巻第四「秋歌上」 第193番)