ゆめぢには あしもやすめず かよへども うつつにひとめ みしごとはあらず
夢路には 足もやすめず かよへども うつつに一目 見しごとはあらず
小野小町
夢の中では足を休めることもなくいくどもあなたのところに通いますけれど、現実に一目お逢いしたときの喜びにはかないません。
同じ「ひとめ」という言葉が使われていますが、0656 では「人目」でこちらは「一目」。作品として連作だったのか、古今集の編者が内容から近くに並べたに過ぎないのかわかりませんが、併せ読むことで味わいが増すように思います。