吉野山
みよしのの よしののやまは ももとせの ゆきのみつもる ところなりけり
み吉野の 吉野の山は 百年の 雪のみつもる ところなりけり
吉野山
吉野山は、百年も消えることのない雪がつもるところなのです。
貴人に奉呈した歌ですから、「百年も消えることのない雪」には、めでたいものという含意があるのでしょう。一方で 古今和歌集0327 には、吉野の雪深さを詠んだこんな歌もあります。
みよしのの やまのしらゆき ふみわけて いりにしひとの おとづれもせぬ
み吉野の 山の白雪 踏みわけて 入にし人の おとづれもせぬ
壬生忠岑