漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 172

2023-10-05 05:11:58 | 貫之集

吉野山

みよしのの よしののやまは ももとせの ゆきのみつもる ところなりけり

み吉野の 吉野の山は 百年の 雪のみつもる ところなりけり

 

吉野山

吉野山は、百年も消えることのない雪がつもるところなのです。

 

 貴人に奉呈した歌ですから、「百年も消えることのない雪」には、めでたいものという含意があるのでしょう。一方で 古今和歌集0327 には、吉野の雪深さを詠んだこんな歌もあります。

 

みよしのの やまのしらゆき ふみわけて いりにしひとの おとづれもせぬ

み吉野の 山の白雪 踏みわけて 入にし人の おとづれもせぬ

 

壬生忠岑



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