うぐひすの はなふみしだく このしたは いたくゆきふる はるべなりけり
鶯の 花ふみしだく 木の下は いたく雪降る 春ばなりけり
鶯が花を踏み散らす木の下には花びらが積もって、まるで春にたくさん雪が降ったかのようだ。
「花ふみしだく」という表現は 古今和歌集0442 に例があります。
わがやどの はなふみしだく とりうたむ のはなければや ここにしもくる
わが宿の 花ふみしだく 鳥うたむ 野はなければや ここにしも来る
紀友則
(古今和歌首 巻第十「物名」 第442番)
巻名の通り物名歌ですが、詠み込まれた語句の発見は現代人には難しいですね。「とりうたむ のはななければや」のところに「りうたむ(=りんどう)のはな」が隠れています。