漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1073

2022-10-07 07:04:34 | 古今和歌集

しはつやま うちいでてみれば かさゆひの しまこぎかくる たななしをぶね

しはつ山 うち出でて見れば 笠結ひの 島漕ぎ隠る 棚なし小舟

 

よみ人知らず

 

 しはつ山を出て見渡すと、笠結いの島に漕いで隠れてゆくのが見える、棚なし小舟よ。

 詞書は「しはつ山ぶり」。「しはつ山」「笠結ひの島」はいずれも地名と思われますが詳細不明です。「棚なし小舟」は舟べりに板のない小さな舟のことで、0732 にも登場しましたね。

 

 

ほりえこぐ たななしこぶね こぎかへり おなじひとにや こひわたりなむ

堀江こぐ 棚なし小舟 漕ぎかへり 同じ人にや 恋ひわたるらむ

 

よみ人知らず



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