漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 007

2023-04-23 05:21:54 | 貫之集

忘れ草

うちしのび いざすみのえに わすれぐさ わすれてひとの まだやつまぬと

うち忍び いざすみのえに 忘れ草 忘れて人の まだや摘まぬと

 

忘れ草

住の江の忘れ草を見ると、あの人は忘れてこの忘れ草をまだ摘んでいないのではないか、私への恋心を忘れずにいるのではないかと思える

 

 「忘れ草」は萱草(かんぞう)の別名で、忘れ草を身に着ければ、恋の苦しみや憂いを忘れられるとされていました。
 本歌は、貫之集の他の多くの歌とともに、平安時代に編纂された私撰和歌集である「古今和歌六帖」(第3850番)にも採録されています。古今和歌六帖の撰者もまた紀貫之との説もあるようですね。

 

 



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