漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【円座(わろうだ)】は新傾向?

2016-11-07 21:03:34 | 本試験
 9か月ぶりの受検となった 28-2 の余韻さめやらぬ月曜日(笑)。詳しい点検はいつもの通り標準回答が来てからにしますが、今回の当て字・熟字訓の出題でとても気になることがありましたので、先にそこだけ記事にしようと思います。

 これまで私にとっては当て字・熟字訓は得点源と言える設問で、ごく少ない例外の回を除いて、10点満点を続けてきました。それというのも、この設問はこれまで、過去問と「辞典」初版巻末索引以外からは基本的に出題されないという傾向がずっと守られてきていたからです。

 ところが今回、私は 【棠棣(はねず)】 と 【円座(わろうだ)】 を落としてしまい、得点は8点でした。このうち 【棠棣(はねず)】  は巻末索引どころかそもそも「辞典」に掲載されていない(初版にも第二版にもありません)語ですので、できなくても仕方のないところ。このような出題は 24-2 の 【日照雨(そばえ)】、27-1 の 【稲架(はざ)】 に例があり、これも「『辞典』以外からの出題」が増えていく前兆なのかもしれません。

 ただ、私が気になったのはむしろ 【円座(わろうだ)】 の方です。この語は、「辞典」では初版でも第二版でも本文の大見出し語として採録されているのですが、こと巻末索引に関しては、初版にはなく、第二版になってあらたに採用された語なのです。「漢検 漢字辞典」の第二版が刊行されてちょうど2年になりますが、今回の 28-2 も含めて、第二版で新たに採用された音訓が出題されたことはまだありません。しかしこの 【円座(わろうだ)】 は、少し意味合いが違うとはいえ、「初版になくて第二版で新規採用された読みの出題」の最初の事例と言えるかもしれません。次回以降、いよいよ第二版での新規採録の読みがちらほらと出題されるようになっていくのかもしれませんね。

 と言っても、第二版で新規採用された読みの数は膨大で、しかも出されたとしてもその数はごく限られたものとなるはずですから、初版に載っている重要な読みをしっかり押さえるのが大切であることに変わりはありません。個人的には、とりあえず当て字・熟字訓だけは、巻末索引に新規採用された語を押さえておこうかなとは思っていますが・・・



(・・などと書きましたが、そもそも今から初版を入手するのは結構難しいんでしょうか。とすると、当ブログも初版を手元に所有している方をいつまでも念頭に置いた記事を書くのも、考え物なのかもしれませんね。悩ましいところです。)

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