北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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愛の教会

2015-07-10 21:42:05 | 函館



西部地区にある「カトリック元町教会」。
「ハリストス正教会」と並んで、観光客にも人気の高い教会で、坂で言うと、「大三坂」「チャチャ登り」の接続部分に位置しています。





ゴシック建築様式による、高くそびえる尖った屋根の大鐘楼が特徴で、横浜と長崎に建立するカトリック教会(横浜の山手教会、長崎の大浦天主堂)と並んで、国内では最も古い歴史を持っています。

箱館におけるカトリック布教の歴史は、1859年にフランス人宣教師のメルメ・デ・カション氏が箱館入りし、西部地区にある「称名寺」というお寺に寄宿しながら、布教活動に努めたことが起源とされ、カションは、布教と同時に外国語を教える一方、自らは日本語とアイヌ語を学んだとされています。
このカションが設けた仮聖堂がこの教会の起源とされていますが、他に、1867年に箱館へやって来た、ムニクー、アンブルステルという司祭がが仮聖堂を設けたのが起源という話もあるようです。

その後、1877年に、マレンという司祭がが最初の聖堂を建立しますが、木造の聖堂は1907年の大火で全焼し、レンガ造りで再建されるも1921年の大火でまたまた被害に遭い、焼け残ったレンガ壁の上にモルタルを塗りながら補修し、高さ33mの大鐘楼が増築され、1924年に現在の建物が完成し、今に至っています。

内部は撮影不可なので、ここでは紹介できませんが、聖堂の内部の祭壇は、ローマ法王ベネディクト15世から贈られた日本唯一の貴重なものです。





敷地内にある「天主教会」(司祭館)の建物。





ここに表示されている「ME」の文字。
この文字はフランス語とされており、開港当時に箱館で布教活動をしていたフランスの宣教師たちが、宣教会の理念である「愛」の精神を浸透させるべく、フランス語で「愛」を意味する「AIME」という言葉と、この言葉の冒頭の二文字「AI」が、ローマ字読みで「愛」となることに因んで、「愛」+「ME」で、「ME」の文字をここに表示させたと言われています。





最後に、教会の裏側に回ってみました。





ここに、一体のマリア像が設置されています。





ここでは、毎年5月と10月に、信者が祈りを捧げているとのことです。
目立たない場所にあるので、観光客が訪れることもそれほど多くないとのことですが、教会ができた当時、宣教師達がこの教会に込めた理念を考えると、ぜひ押さえておきたいスポットだと思います。
コメント
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