北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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寺町通を歩く~その2~

2018-08-18 16:50:45 | 釧路&釧根地方



先日書いた、バス停「寺町通」沿いの四つのお寺からは少し離れているのだけど、散策していて気になったお寺がもう一つあったので、寄ってみました。





浄土真宗本願寺派の「本行寺(ほんぎょうじ)」。所謂「お西さん」です。
1885年(明治18年)頃、本願寺出張主任であった「切上霊順」が、信者宅を借りて布教を始めたのがルーツで、1889年(同22)に現在地に教務所が創建され、1898年(同31年)5月に寺号公称許可を受けて現在に至っています。








本堂の脇に、もう一つ、気になる建物が建っています。
「聖徳会館」という名前や、「聖徳太子」の名が書かれた幟。
この建物は「太子堂」と呼ばれているもので、市内の大工、左官、屋根職人、鍛冶などの組合が1909年(明治42年)に「太子講」という組織を立ち上げ、日本建築の礎といわれる建築技術を中国(隋)より導入した聖徳太子を「技能の神様」として奉っているものです。





隣にあるのは「職能資料館」。
1980年(昭和55年)に建てられたもので、明治時代からの大工道具など、聖徳太子を崇拝する職人さんたちの魂が込められた道具の数々が保存されています。








境内には、聖徳太子の有名な教え「和を以て貴しと為す」の言葉が刻まれた碑も建立されています。
2008年、太子講設立百周年を記念したものです。

因みに、上から二枚の写真に見られる提灯や「聖徳太子」の名が書かれた幟は、毎年8月20日、21日に開催される例大祭のものです。
明後日ですね。職人さん達だけでなく、地域を挙げての盛り上がりになるのでしょうね。





境内には、他にも興味深い碑が幾つか建立されています。

「義理と人情とやせがまん」。江戸っ子の心意気とされている言葉だそうです。
なるほど、江戸の火消し達の合言葉のようなものなのでしょうな。その魂が釧路にも流れ着いているということですか。





こちらは、一瞬「うなぎ(鰻)」って読んじゃいそうだけど、左官屋さんの道具である「鏝(こて)」を祀る碑だそうです。





こちらは「茶筅(ちゃせん)塚」というもので、裏千家淡交会釧路支部が、1988年(昭和63年)9月に開催された北海道地区大会を記念して建立したもので、翌1989年(平成元年)11月に除幕されています。
本行寺の住職であった菅原弌也師が同支部の副支部長であった縁で、この場所に建立されたとのことです。








最後に紹介するのは、ここにもありました、石川啄木の歌碑。
「一輪の紅き薔薇の花を見て 火の息すなる 唇をこそ思へ」という歌で、歌集には掲載されていない歌とのことですが、これに関する話は、後日実行予定の、啄木に特化した町歩き(日程決めました)の際に突き詰めてみたいと思います。

(本行寺の場所はこちら
コメント
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