セブンイレブン本部の利益率は30年以上累進チャージのおかげで利益率30%越え、しかし加盟店は火の車。立地の良い日販63万円年商2億2900万円の店舗でも夫婦二人の手取りは年収は350万円ほどで、利益率にすると1.5%しかない。セブンイレブン商法はこの標準店舗で年間4000万円の累進チャージを稼ぎ、さらに仕入れでも儲けている。品物によっては我々がスーパーで買う値段より高い価格で仕入れているのだ。賞味期限ぎりぎり商品の見切り販売をしないとやっていけない状況なのに売り上げを上げればドミナント方式『コンビニエンスストアをフランチャイズチェーンで展開するにあたり、創業時より効率性・安定性から高密度多店舗出店を基本戦略として、出店を続けています。 それは、店舗ごとに商圏を隣接させながら店舗網を広げ、そこから知名度をアップし、鮮度のよい商品供給を行うというやり方です。』が追い打ちをかける。そのドミナントを積極的に展開していたのが井坂隆一社長だったのだ。
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セブン-イレブンといえば、加盟店への搾取やアルバイトにまで商品の買い上げノルマを課すなどのブラックバイトが横行していることから、昨年11月末には「ブラック企業大賞」を受賞している。
今回の騒動で、奴隷的なフランチャイズシステムを作り上げてきた鈴木・セブン商法の終わりかと思いきや、そうはいかないようだ。
というのも、井阪社長こそが、ここ最近のブラック企業化を推し進めてきた張本人だからだ。あるオーナーはこう嘆く。
「ここ最近、近隣にセブンが何店もできて共食い状態になるドミナント戦略や、アルバイトにまでキャンペーン商品のノルマを押し付けるブラックバイト問題が指摘されますが、これは井阪社長がセブン-イレブンのトップになって加速したものです。昨年末には、ブラックバイト問題の対応を促すために、厚生労働省と文部科学省が連名で『学生アルバイトの労働条件の確保について』という要請文が日本フランチャイズチェーン協会会長宛に出され、セブンの加盟店各店にもコピーが送られてきました。しかし、要請文は労働時間や『アルバイトの年次有給休暇』など現在のセブンの環境では守れないことも多く書かれている。セブン本部はその実態を知っているはずだが、巡回に来る指導員に相談しても何の対応も対策も出てこない。ブラック対策をせずに、ただ、文書を配っただけなのです」
また、井阪社長自身の問題点も指摘されている。とある週刊誌記者が語る。
「昨年末からセブン内部からと思われる怪文書が出回りました。『祝! ブラック企業大賞受賞理由は商品本部にあった!?』とのタイトルでセブンの商品本部の複数の幹部のパワハラ、不正取引、不倫などの疑惑を暴露しています。この怪文書は『鈴木氏の神通力ももはやこれまでなのだろうか』と書かれており、鈴木体制への批判的な怪文書なのではないかと見られていましたが、疑惑が報じられた幹部たちは『商品本部』というセブンの中枢ともいえる部門で、この『商品本部』は井阪社長の出身部署なのです。怪文書が明らかにしているのは、商品本部のタガの外れっぷりと、それを抑え切れていない井阪社長の手腕への懐疑なのです」
さらに、井阪体制は綱渡りが続く。大株主の1つ、米国投資ファンドのサードポイントはセブン‐イレブン以外のイトーヨーカドーを含む赤字部門の売却を迫り、もう一方の大株主であるイトーヨーカドー創業家の伊藤家はイトーヨーカドーの再建を至上命題とする。「鈴木追放」で両者からの支持を取り付けたが、その先が不透明なのだ。さらに、鈴木会長が息子(二男の康弘氏)への“世襲”を狙う推進力としようとしていたネット事業(omni7)もゼロからのスタートを迫られる。
いずれにせよ、セブン‐イレブンは奴隷的と言われる契約で、全国1万8000店あまりの加盟店に過酷な労働を強いて利益を吸い上げる、一日に加盟店から100億円が振り込まれるフランチャイズシステムに変わりはなく、その鈴木会長が構築したフランチャイズシステムを、米国投資ファンドと創業家の伊藤家が奪い合う醜い戦いが始まったのだ。