都知事選挙投開票まであと1週間、接戦の中『週刊誌の暴露』で情勢に変化が出てきました。さらに、追い打ちをかけるように新報道2001の3有力候補による討論会への出席を拒否した鳥越氏は昨日はニコファーレで行われた「候補者ネット討論会」(ネット事業者4社主催)への出席をドタキャンです。もっとも重視する政策論争もせず、3日で作成した実現性が分からない政策を掲げる新しい都知事を有権者が選べるはずはありません。勝ち馬は誰になるのか?支援する政党や団体とは関係なく小池氏と増田氏の一騎打ちになるのではないでしょうか?
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東京都知事選(31日)には政策論争がない。
東京とは何か。都知事とは、自治とは何か。政党はどう関わるべきか。
基本が見失われたまま迎えた終盤、本物の新知事を見極める勘どころを一つ挙げるとすれば何か。
ぎりぎりまで候補者の一人に数えられ、結局、出馬しなかった片山善博・慶応大法学部教授(64)=元総務相、前鳥取県知事=に聞くと、こう答えた。
「性根がすわっているかどうか、でしょう」
東京はデカい。
人口1361万はポルトガル、ギリシャ、スウェーデンよりも上。東京都の国内総生産(GDP)94兆円はインドネシア1国をしのぎ、韓国やメキシコとほぼ肩を並べている。
だが、デカい、すごいとおだてなさんな−−と片山は言う。規模は巨大でも自治体は自治体。派手な知事外交や五輪などのイベント本位ではなく、あくまで住民の利便優先で営まれる組織のはずである。
東京都政の基本的な特徴の一つは、旧東京市(1943年廃止)から引き継いだ上下水道や消防関連業務を、23の特別区で都が担っている点にある。
つまり、道府県なら市が所管する地域密着業務を都が直接、さばく。
それに見合って都庁は巨大(職員17万人)。チェック機関の都議会も巨大(定数127)。都民は住民参加による制御を実感する機会がない。為政者は遠い存在であり、都知事選が政策不問の人気投票に傾く理由もそこにある。
◇
政党の関わり方も釈然としない。推薦候補必勝の規律はあるが、何を実現するかという政策的な検討がなされた形跡がない。
自民党都連が、同党議員を対象に「親族が非推薦候補を応援しても除名」と通知した(11日)。
たまたま、小泉純一郎元首相(74)と話した際、元首相が反応した。
「あれ、なんだよ。オレが小池(百合子)さん応援したら、進次郎を除名するの? 驚くね。自由も、民主もないよ」
野党の勝ち馬探しの迷走も無残だった。
政党は、かつては理念や経済的利害を共有する支持組織を背景に成り立っていた。いまは、選挙に勝って力を見せること自体が目的化している。
◇
−−それにしても、候補者の<性根>をどうやって見抜くんです?
片山に尋ねると、落ち着き払っていわく、
「出馬の動機と施策の関係をただせばいい。討論すれば分かります」
片山は17日、フジテレビの報道番組「新報道2001」で、候補者討論の質問者に予定されていた。鳥越俊太郎(76)の不参加で企画は中止になったが、片山が用意した、幻のニコファーレで行われた「候補者ネット討論会」(ネット事業者4社主催)に出席、議論を戦わせた質問案の一端はこうだった。
▽鳥越候補へ=「右傾化を元に戻したい気持ちも立候補のきっかけだと言われたが、都政で具体的に何ができると思いますか?」
▽増田寛也候補(64)へ=「都政を改革するとおっしゃったが、都政の既成勢力に担がれた出馬で、改革ができますか?」
▽小池百合子候補(64)へ=「満員電車をなくしたいとのことですが、そう訴えようと思い立った動機は何ですか。あなたは満員電車を利用しますか?」
まだ1週間ある。本物は誰だろう。(敬称略)