政府は黒田日銀総裁の続投を決めました。高齢や安倍総理との不仲説で退任が取りざさされていましたが、NY発株価急落を受け無難な選択です。❝株価は「節分天井・彼岸底」ではないか。次回FOMCは3月20・21日。まさにお彼岸の中日である。そこで利上げが見送られれば、市場の動揺は止むだろう。❞3月下旬までNYダウに引きずられる不安定な相場で、彼岸以降一気に今年の高値を取りに行く。今年の桜の花見は盛況、希望的観測も含めてそう予想します。
以下抜粋コピー
政府が黒田東彦日銀総裁を再任する方針を固めた背景には、自民党総裁選や憲法改正などの重要テーマを抱え、経済分野のリスクを可能な限り避けたい安倍晋三政権の意向がある。アベノミクスの象徴とも言える黒田氏を交代させれば、円相場や株価にも変調をきたしかねない。候補者の選択肢が限られる中で、「現状維持」という最も無難な判断に落ち着いた。
黒田氏に対しては、大量のお金を世の中に供給する大規模量的緩和(異次元緩和)によって円安・株高を実現し、「世の中の雰囲気を明るくした」として、政府内の評価は高かった。現在73歳で、2期目の任期満了時に78歳となる年齢を懸念する声もあったが、体力面での問題も見当たらず、政府・与党では早い段階から再任を求める声が大勢となっていた。5年前の総裁選びの際には黒田氏就任に消極的だった財務省・日銀も、今回はむしろ後押しした。
一方で、より積極的な金融・財政政策を求める「リフレ派」の一部からは、任期中に2%の物価上昇目標を達成できなかったことを理由に「人心一新」を求める声もあった。リフレ派を経済ブレーンとして重用してきた安倍首相の判断が注目されていたが、黒田氏再任を求める周囲の声もあり、続投に傾いた。
ただ、次の5年間は多くの難題が待ち受ける。日銀は2016年に長期金利を0%程度に抑える政策を導入し、粘り強く物価目標達成を目指す姿勢だが、超低金利政策を続けると、金融機関の収益が悪化し、かえって貸し出しが減る副作用の懸念がある。物価が十分に上がらないうちに利上げを行うと円高を誘い、景気が冷え込む可能性もある。退任時には戦後総裁で最高齢となる黒田氏にとって、厳しい試練となりそうだ。