リスクオフにより、円に流れていた資金が、金融市場の安定でリスクオンになり、再びドル高になりそうです。そのきっかけは、27日に行われるパウエルFRB議長の議会証言です。一人の人間の発言で世界の金融資産が上下に振れる。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)と日本銀行この3総裁の発言から、目が離せない状況が続きそうです。日本も、賃金・物価上昇が鮮明になった時点で、円安、株安、景気悪化に振れるという分かりにくい構造です。
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主要通貨は23日終了週の後半にレンジ取引。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)がそれぞれ公表した1月会合の議事録は相場にあまり方向性を与えなかった。ただし、当局の一段と明確な方針が得られる可能性がある。
ドルは最近、2つの相反する要因で上下両方向に大きく動いている。トランプ米政権による口先介入や米財政赤字拡大に注目が集まっていることが一つ。これに対して、賃金上昇やタカ派的な米金融当局、債券利回り上昇を背景とした株安がある。
27日に下院金融委員会、3月1日に上院銀行委員会がそれぞれ開催する公聴会でのパウエル新FRB議長の証言で、どちらかの要素が優勢に立つ可能性がある。下院での日程は当初予定より1日前倒しされた。
パウエル議長は自身の景気判断について明確な見解を示し、基本シナリオである年内3回の利上げに政策当局者がどの程度安心感を抱いているか説明する可能性がある。あるいは、先行きの引き締めペース加速を示唆するかもしれない。トレーダーらは資産価値の高さや広範な市場不均衡に関する発言に細心の注意を払うだろう。
パウエル氏が予想より速いペースの利上げに道を開くことがあれば、投資家は他の何よりも金利上昇に焦点を置く可能性がある。今月初めの株価急落以降、ドルと米国債利回りの相関が復活したことを踏まえれば、ドルの持ち直しはさらに続く可能性がある。
ドルは特に対ユーロでその動きが顕著になるかもしれない。ユーロ強気派にとっては、ポートフォリオのロングポジションを積み増すという考えを支援する新たな材料がまだ見当たらない状況だ。次回のECB会合は2週間先の予定となっている。