『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

❝ファイザー製ワクチンを正式承認❞もワクチンをめぐって誤情報が拡散 

2021-02-15 11:54:48 | 日記
政府はファイザーと年内に約1億4400万回分(約7200万人分)の供給を受ける契約を結んでおり、12日には、ベルギーから第1便の約36万5千回分が到着。17日にも医療従事者への先行接種が始まる見込みです。しかし、オリンピック開催予定国としてはあまりに遅い。米国では4月までに1億人にワクチンを接種 予定で、高齢者のワクチン優先接種が早くても4月1日以降になる 日本の出遅れ感は否めませんし、社会活動をし感染リスクの高い勤労者・学生を優先してもらいたいとも思います。いずれにしても、接種可能な人から順次接種しないと早期に国民全体には行き渡らないし、五輪開催問題で世界が注目している中、日本の特異性が浮きだちます。
以下抜粋コピー
アメリカやイギリス、イスラエルなどの世界各国では、新型コロナウイルス感染症に対して、ワクチン接種がはじまっている。
 日本でも早ければ今週半ばから、医療従事者・高齢者など順次接種が進むと考えられている。
ワクチンをめぐって誤情報が拡散 
「医師も、正しい情報を提供する努力をしてきています。その努力が水の泡になってしまうので、ほんとうにたまらないという気持ちです。大手マスコミが、一般の方に正確な情報を与えずに、不安感をあおるのはよくないと思っています」
 こう語るのは、2020年ハーバード大学公衆衛生大学院を卒業し、ワクチンの疫学に詳しく、子宮頸がんワクチンに関する啓発活動も行っている木下喬弘医師だ。なぜ、ワクチン忌避報道が繰り返し起こるのか。
「メディアによる専門家の選定や、メディアの報道姿勢に問題があるのではないでしょうか。ワクチンがどれだけ有効で安全性が調べられているか、データをよく知らない人が解説をしていることが多いのです。その結果、今回も、『ワクチンには感染そのものを予防する効果はない』『mRNAが核の中に入る』などの誤情報が報道されてしまいました」と、木下医師は言う。
日本は「ワクチンは有効」と考える人が最も少ない国
 なぜ、日本ではワクチン忌避的な感情が少なからず根付いているのだろうか。
「これまで、サリドマイド、スモン、薬害エイズなど、実際に健康被害のあった製薬があった歴史があり、新薬に懐疑的な土壌がある上に、MMRワクチンでは、無菌性髄膜炎が発生して定期接種が中止された経緯があります。また、子宮頸がんワクチンでも、副反応報道が大々的になされ、今でも非常に低い接種率にとどまっています。
 海外では、日本ではマスコミ報道がワクチン忌避に影響しているのではないかと言われることが多いです。2020年9月に出されたLancetの論文では、日本は『ワクチンは有効である』『ワクチンは安全である』と考える人がもっとも少ない国であることが報告されています」
 また、木下医師によると、アメリカでは、ワクチン忌避や陰謀論などはソーシャルメディア上の問題として扱われているが、日本では、大手メディアでそのような言説がとりあげられることがあり、問題が大きいという。たしかに、日本では、大手マスコミなどの権威が、データを示さずに不安感だけをあおる報道を繰り返している。
「ワクチンを怖いと思う人は一定数存在して、『怖い』と思う気持ちを理解して欲しいと思っています。そこで、大手メディアや専門家を名乗る人から『ワクチンが危険だ』と肯定されると、打たなかった自分は間違っていなかったという考えを強めてしまう。その結果として、感染症から唯一身を守る武器であるワクチンを遠ざけてしまうことになります」
副反応のリスクは「全身麻酔」や「抗生物質」より低い
 これまで論文で報告されているデータでは、実用化された2社のmRNAワクチン(ファイザー/バイオンテックおよびモデルナ)ともに、95%程度の有効性があるとされ、重症化を防ぐ効果も報告されている。また、重篤な有害事象は、ワクチンを接種した人、プラセボ(※)の人で差がないという結果が出ている。
※……「偽薬」のことで、薬と外見上は同じだが、有効成分を含まないもの(人体に害はない)。「薬を飲んでいる」と思うだけで安心するという心理作用から、データが改善することがあり(「プラセボ効果」という)、薬やワクチンの効果をたしかめる治験では、プラセボ効果と影響を除くために、薬やワクチンを投与しないグループにはプラセボを投与する。
 今回のワクチンの安全性に対して、具体的なイメージがわきにくいかもしれないが、抗菌薬(抗生物質ともいう)や、全身麻酔のリスクと比較すると、理解しやすくなるのではないだろうか。
 今回のワクチンでは、重篤な副反応であるアナフィラキシーがでる確率は20-40万人に1人程度だが、例えば、抗菌薬によるアナフィラキシーは5000−1万例に1例程度、手術時の全身麻酔によるアナフィラキシーは1万症例に1例程度とされている。
ワクチンを怖いと思う人でも、細菌感染で抗菌薬を服用したことはあるだろうし、胃癌などの癌になったら、ほとんどの人が手術を選択するのではないだろうか。ワクチンは、基本的には健康な人に接種するため、効果が見えにくく副反応の報道だけが目立ってしまうが、ほかの医療行為と比べても、特に大きなリスクがあるとはいえない。
「パンデミックを終わらせ、人と人とが接触する生活を取り戻すには、ワクチンしかありません。感染を抑えるために、かなり制限した生活をしても、押さえ込めずに広がってしまっています。今回も、二回目の緊急事態宣言をださなくなければならない事態になっています。
 mRNAワクチンは、効果、安全性ともに高いというデータが出ており、ワクチンを打った人がかえって重症化するというような副反応も報告されていません。科学的に考えると、打つメリットの方がはるかに大きいと言えるでしょう」と、木下医師は語る。
ワクチンに対する、製薬会社勤務歴のある医師の本音
 撤回となった雑誌記事の中には、「医師1726人の本音『ワクチンすぐ接種』3割」という、あたかも医師の多くが接種をためっているかのようなタイトルの記事もあったが、「新型コロナウイルス感染症にたいするワクチンを、受けようと今は考えています」と話すのは、製薬会社勤務歴があり、創薬や治験にも詳しい奥真也医師だ。
「ワクチンが開発された10月頃は、アメリカやイギリスでも、限られたデータしかまだ出ておらず、ワクチンが本当にうまくいくのかについて慎重な見方をしていました。ワクチンや薬は、開発をしても、うまくいかないことのほうが圧倒的に多いのです。
しかし、今回のmRNAワクチンは、実際治験がはじまってみると、重大な副反応が出て中止になることもなく、最近出てきた論文では、非常に良好な成績であり、『このワクチンは、大丈夫かもしれない』と思いました。今では、打つ方向に考えが傾いています」
 奥医師によると、12月に、ファイザー/バイオンテックやモデルナが出したそれぞれの論文で、ワクチンを接種した人と、プラセボを接種した人で、接種後の日数が経過するに従って、発症率に差が出ていてそれが打とうと判断した根拠になっているという。このデータでは、ワクチンとプラセボを接種後10日から、発症の差がはっきり現れてきている。
「多くの方は、いったんおそれはじめると、データが出て、安全だということがわかってきてからも、おそれをひきずってしまう傾向があると思います。しかし、データがまだ出ていない段階では慎重でいる、データが出てからはデータをもとに判断することこそが、科学的な態度だと強調したいです」
 奥医師はさらに続ける。
ワクチンを接種するかどうかは、社会の問題でもある
「新型コロナウイルスワクチンを接種するかどうかは、個人の問題にとどまらないと思っています。本人がかかるかどうかということの他、家族が罹ったり、周囲の基礎疾患を持っている人や高齢者に感染させてしまったりする問題もあります。ですので、個人の話と社会の話は切り離せません。
 今ある社会課題、つまり、みんなが我慢して、外に出られない状態を解決するのに非常に有効なワクチンが開発されていて、自分が接種するかどうかで自身が感染する確率は変わります。そうすると家族や祖父母など、周囲の人が感染する確率も明らかにかわってくるわけです。
 そういった観点からも、ワクチンを打つのは非常に重要であり、いい選択だと考えています 」
 奥医師は、薬にしてもワクチンにしても、どんなものでも、後から新たな作用がわかったり、新たな副反応が出たりする確率はゼロではないと話す。しかし、今は、情報を見極めて適切に判断する必要があるという。 
「医師もメディアも、正確な情報を提供することをむねとするべきで、個々人の置かれた状況を考慮しつつ、打つか打たないかを決めていただくのがいいと思います」 
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