中国ではゼロコロナ政策が解除され、一部ホテルやレストランなどに客足が戻りつつあるが、回復の期待は裏切られた。
消費者を慎重にさせている要因は、不動産市場の下落、低迷、公務員給与一部不払い、減額などだ。医療補助などを削減する政府の対応、若者の雇用不安なども不安材料だ。
一方、不動産市況の急激な悪化で地方政府の財政は火の車だ。 苦境にあえぐ中国経済にとって「泣き面に蜂」なのは、米国の中国経済に対する締め付けが強化されつつあることだ。
在中国米国商工会議所は3月1日「米国企業の過半数は『中国はもはや主要な投資先ではない』と回答した」ことを明らかにしている。
★(追加) 米中対立の激化を背景に、米国の貿易構造が変化しつつある。対中制裁関税や半導体規制などを受け、中国からのモノの輸入が急減する一方、貿易協定を結ぶメキシコや、関係強化を進める東南アジアの存在感が増大。2023年のモノの国別輸入額では、中国が08年以来15年ぶりに首位から陥落する公算が大きくなっている。バイデン米政権は対中強硬姿勢を強めており、輸入縮小の流れが加速する可能性もある。
又、「少子高齢化」も中国の経済基盤を縮小させている。
国家統計局によれば、中国の2022年の就業者数は約7億3350万人となり、3年前に比べて4100万人以上減少した。
今後10年間で約2億2800人が退職することが予測されている(3月17日付日本経済新聞)。中国の「団塊世代(1963~75年生まれ)」が法定退職年齢(男性は60歳、女性管理職は55歳)に達するからだ。
社会保障負担を見てみると、昨年は現役2.28人で高齢者1人を支えていたが、20年後には現役1.25人で高齢者1人という計算となる。
このように、中国経済は「お荷物」になってしまう可能性が高い。中国は世界経済の救世主どころか世界不況の発火点になるのではないだろうか?