『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

EV需要が急速に軟化する米国、トヨタのプリウスが人気

2024-03-16 07:00:01 | 日記
プラグインの電気自動車(EV)が自動車業界を大きく変えようとしているという楽観的な見方がビジネスニュースで多く取り上げられたのはつい昨日のことのように思える。以前はEVの世界販売台数は急増し、2021年に300万台だったのが昨年は1400万台になった。米調査会社S&Pグローバル・モビリティのアナリストらは、この傾向は今後も続き、2030年には米国のEV販売は全体の40%に達する可能性があると予測していた。
今日、EVに関するニュースはより地に足のついた、現実に基づく状況を伝えている。乗用車のEV需要は急速に軟化している。
売れ残った在庫がディーラーの敷地を埋め尽くしている。大手から小さなスタートアップまで、メーカー各社は生産と投資計画を縮小している。アップルは最近、これまでに100億ドル(約1兆4700億円)以上を注いで乗用車をデバイスに変えようとしていたEVプロジェクトを打ち切った。EVが売れなくなっていることは明らかだった。
中国の状況はさらに悪い。経済が冷え込む中、EVの需要は軟化し、価格競争が起きている。各メーカーは記録的なペースで生産を続けており、供給過剰となったものが輸出に振り向けられる可能性は、すでに飽和状態にある世界市場にとって脅威となっている。
何が変わったのか
結論から言えば、状況はそう変わっていない。ここ2、3年に行われた数多くの調査では、消費者の30〜40%がEVの購入を真剣に検討していると回答している。だが結局のところドライバーはずっと躊躇していたか、EVに懐疑的だった。
米分析会社が行った調査では、ガソリン価格がピークに達し、EVの販売が急増する中、EVの購入を検討すると答えた米国民はわずか14%だった。
現在では、この数字はもっと小さくなっているかもしれない。米国の自動車販売におけるEVのシェアは8%弱だ。
投資家らは自動車を購入する人々についてよく知らないまま、EV業界が車輪のついたソフトウェアを扱うハイテク企業であるかのように、EV業界に多額を賭けた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは最近の報道で、過去数年間のEVの盛んな触れ込みと投資は「消費者という重要な要素を見落としていた」と指摘した。
EV普及の唯一最大の障害は、実際のものか、想定のものかにかかわらず、依然として航続距離への不安だ。ドライバーはいつ、どこで充電するかを中心に据えて旅を計画しなければならないことを嫌う。調査によると、EV所有者が実際に1日に使用するバッテリーは容量の20%以下だとされているが、人々は1、2年前よりも車を使用しており、しかもガソリンは2022年より安くなっている。
この冬、EVに懐疑的な人々にとって「ほら、やっぱり」という事案があった。異常な寒さに見舞われた北中西部で、充電のスピードが緩やかになったり機能しなかったりするEV充電ステーションでドライバーらが立ち往生したのだ。
米消費者情報誌は自動車の信頼性に関する最新の年次報告書の中で、EVの信頼性、特にピックアップトラックに低い評価を下した。調査によると、新型EVは従来のガソリン車より79%も問題が多い。プラグインのハイブリッド車はさらに悪く、146%も問題が多かった。
抜きん出ていたのは、ガソリンエンジンと電気モーターを併用する外部からの充電が不要のハイブリッド車だ。この車は走行中にバッテリーを充電する。調査によると、これらの標準的なハイブリッド車は従来のガソリン車より26%問題が少なかった。
群を抜いているハイブリッドメーカーはトヨタだ。今やあちこちで見かけるプリウスの生産を2000年に開始した。同社は四半世紀にわたって改良と微調整を重ね、顧客が求めるものについて知見を深めた。発売当初、トヨタはプリウスがガソリン車と航続距離に不安があるEVのギャップを埋めるものになるだろうと正しく予測していた。
今日、トヨタが販売する自動車の大半はハイブリッド車であり、プリウスは最近、米エネルギー効率経済評議会から米国で「最も環境に優しい」車に選ばれた。
トヨタは競合他社とは違うことをやっているに違いない。消費者の声に耳を傾けているのだ。モノ作りは、やはり年季がモノをいうのか?
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