米連邦最高裁は4日、米大統領選に向けた共和党予備選でトランプ前大統領の立候補資格を認めなかったコロラド州最高裁の判決を破棄し、立候補を認める決定を下した。5日にコロラドを含む15州で共和党の予備選などが集中する「スーパーチューズデー」を控える中、返り咲きを狙うトランプ氏には追い風となった。
今回の判断は判事9人全員一致によるものだ。トランプ氏は4日、フロリダ州で演説し「非常に重要な決定だ。有権者は(投票によって候補者を)選挙戦から排除することができるが、裁判所がすべきではない」と最高裁の決定を歓迎した。
今回の訴訟では、コロラド州最高裁が昨年12月、トランプ氏が2021年の米議会占拠事件に関わったと認定し、反乱に関与した人物が官職に就くことを禁じた米国憲法修正14条3項に抵触するとした判断を巡って争われていた。
連邦最高裁は「連邦政府の高官や(大統領)候補に対する14条3項の規定を執行する責任は州にはない」と判断した。占拠事件を巡るトランプ氏の関与については言及しなかった。
★スーパーチューズデーとは
投票は日本時間5日夜から始まり、同6日午前から結果が少しずつ判明していく。 野党・共和党は15の州で、予備選挙や党員集会を行う。15州は、アラバマ、アラスカ、アーカンソー、カリフォルニア、コロラド、メイン、マサチューセッツ、ミネソタ、ノースカロライナ、オクラホマ、テネシー、テキサス、ユタ、ヴァーモント、ヴァージニア――の各州。
共和党では、候補者を選ぶ「代議員」計2429人が、人口などに応じて全米に割り振られている。この過半数の1215人を獲得した候補が、夏の党大会で本選に候補者に指名される。
代議員2429人のうち約3割の865人について、どの候補が獲得するのか、スーパーチューズデー1日で決まる。
民主党では、代議員計3934人のうち、1968人を獲得した候補が党候補となる。スーパーチューズデーでは代議員1420人の行き先が決まる。
トランプ陣営は、スーパーチューズデー当日にトランプ前大統領が少なくとも代議員733人を獲得した後、その後の各州の予備選・党員集会でも勝利し続け、3月末には必要な1215人を獲得するとみている。
これまでにトランプ氏が獲得したとされる代議員は244人。共和党で唯一対抗しているニッキー・ヘイリー元国連大使は、43人を獲得している。共和党で圧倒的な強さを発揮しているトランプ氏が勝利するのはほぼ確定ですね。