サラリーマンの実質賃金が4カ月連続のマイナスとなった。
一方の年金は「2023年から3年連続マクロ経済スライドが発動しており、2023年がマイナス0.3%、2024年がマイナス0.4%、そして2025年がマイナス0.3%と、結果的にこの3年間で年金は1%目減りしたことになります。 最近は特に物価の上昇率が激しいため、年金暮らしの人は物価上昇に追いつかない。年金しかもらえず、苦しい生活を3年も強いられているということ。表向きの年金額は増えていますが、前年とは同じものが買えないほど年金の価値が落ち続けているというのが現状」なのです。
「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る」
明治時代の歌人、石川啄木が当時の労働者の苦しみや悩みを説いたものだが、令和になった現代も変わらないようだ。
厚生労働省が9日に発表した昨年11月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比0.3%減で、4カ月連続のマイナスとなった。
電気・ガス代、食料品などの物価上昇に給与の伸びが追い付かない状況が続いているわけだが、物価上昇の理由の一つにあるのは円安だろう。2023年末は1ドル=141円40銭だった為替相場は、24年6月に1ドル=160円台に急落。24年の「円安」関連倒産は83件となり、前年(52件)の約1.6倍に急増した。