選手層、推薦入学した生徒の能力の高さで他校を圧勝している優勝候補青山学院ですが、弱点があるようです。10名しか走れないことと、ライバルチームに大黒柱が復活した場合です。そこで職人集団、駒澤大学を取り上げます。
エース不在がもたらした効果とは――。常勝軍団の駒大をピックアップ。王座奪還に向けて、チーム内の〝やる気〟は最高潮に達している。
巻き返しの準備は整った。大黒柱・佐藤圭汰(3年)を欠いて挑んだ出雲駅伝、全日本大学駅伝はともに2位。2冠に輝いた国学院大に屈したが、藤田敦史監督は「『どうするんだ』という話の中で、圭汰なしでも戦おうという気持ちが部員の中から出てきた」とチーム内の変化を指摘。個々の意識が向上したことで「圭汰が加わったら、もっと高いレベルのレースができる」と手応えを口にした。
指揮官が期待を寄せる佐藤は、昨年10月中旬から練習を再開。3区を任された前回大会は首位でタスキを受けたものの、青学大の太田蒼生(当時3年)に競り負け、チームも連覇を逃した。「ハイペースでペースをつくれることが自分の強み。恥骨をケガして出雲、全日本と走ることができなかった。今までの悔しさを晴らす走りをしたいと思っている」とリベンジを誓った。
今季のチームは大八木弘明総監督が「(今季は)選手層が(一昨季の)3冠の時、昨季よりもまだ薄いところがある」と明かすように、懸念材料を抱えている。それでも佐藤は「駅伝メンバーにどんどん新しい選手が絡んでいる。メンバーに絡めることによって、それぞれの選手のモチベーションもアップしていて、それがすごい相乗効果になっている」とプラスにとらえている。
目標はもちろん2年ぶり9度目の総合優勝だ。佐藤は「箱根駅伝では絶対にインパクトのある走りをしたい」。現状では補欠登録だが、当日変更での起用が有力。エースの激走で仲間たちに刺激を与えることはできるか。
上位3校はどこが優勝してもおかしくない。鍵は復活と1年生ランナーの気がします。