「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

感情の渦巻きの解剖学 (2)

2015年11月13日 20時00分55秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
○ あなたのリアクション -- それがどこに繋がるのか
 
 BPが感情の渦巻きに吸い込まれるのを 目にすると、
 
 あなたは 「修正する」 モードか、  「守る」 モードに入り込みます。
 
 「励ます」 試みは ことごとく失敗してきたでしょう。
 
 それはBPを怒らせたかもしれません。
 
 BPは、 痛みを理解していないと言って あなたに腹を立てますし、
 
 自分でコントロールできないことで 自分自身にも腹を立てます。
 
 痛みを承認しない反応は、 どれも非同情的なものです。
 
 どれほど痛みを引き起こしているか 認識したときのみ、 承認的なものになるのです。
 
 BPを安心させようとする試みは、 恥や罪責感に対する 非承認になります。
 
 まずは最優先で その人の感情的経験を承認することが 不可欠です。
 
 BPが気落ちしたとき、 あなたが助言すると、
 
 BPは 「何も分かってない!」 と怒るでしょう。
 
 あなたは、 何か言えば トラブルが起こると心配し、
 
 何も言わないことで BPを守ろうと試みます。
 
 BPは それも傷つくのだと言います。
 
 あなたは、  「どう転んでも勝ち目のない状態」 に ぶち当たってしまったのです。
 
 BPの問題を 修正しようと試みても、 その人を落ち着かせることはできず、
 
 いっそう悪化させてしまうと思うと、
 
 あなたはBPのために、 平穏な環境を作ろうと 決意するかもしれません。
 
 これは、 困難な課題を 全て引き受けるという意味かもしれません。。
 
 そうすると あなたは枯渇してしまいます。
 
 BPを 痛みから守ることはできません。
 
 BPの事実を誤解する傾向を、 変えることはできないのです。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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