「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「すべて私が悪いのです」

2015年11月21日 21時11分53秒 | 「BPDをもつ人と良い関係を築くコツ」
 
 BP(BPDの人)はしばしば、 自分は無価値で、 何をやってもだめだと言い張ります。
 
 これは自己非承認と呼ばれ、 学習された行動です。
 
 感情の渦が ボーダーライン行動スペクトラムの一方の端で、
 
 自己非承認は反対の端にあります。
 
 感情が蓄積していくと、 感情は圧倒的なものとなり、 もはや我慢できなくなって、
 
 自分の経験の非承認へと 動いていきます。
 
 突如として、 感情が関連性を失うか、 存在しなくなります。
 
 或いは、 感情の原因の問題が 簡単に解決可能になります。
 
 BPは、 正確に伝えられないせいで、 または他人を守るために、
 
 自分の問題を矮小化します。
 
 これは  「見せかけのコンピテンス (見せかけの有能さ)」 と呼ばれる行動です。
 
 長い間、 自分を承認しないでいると、 極端な感情が戻ってくるでしょう。
 
 絶望と怒りは多くの場合、 自己非承認の結果です。
 
 怒りは、 自分は無価値で無能だとして 自分自身に向けられることもあれば、
 
 その人の辛さを認識していないとして 他人に向けられることもあります。
 
 感情が蓄積するにつれて、 BPは感情的脆弱性へ戻っていきます。
 
 それは 振り子の上に乗っているようなもので、
 
 強烈な感情から、 その感情を否定する 必死の試みへと揺れ、
 
 そして 強い感情に戻るという具合に 揺れ続けます。
 
 例えば、 BPは  「二度と再び動揺しない」 というような、
 
 非現実的な目標を掲げます。
 
 彼は本気で言っているのです。
 
 問題は、 それを実現するのは 不可能だということです。
 
 BPは 罪責感, 恥, 絶望がたまっていきます。
 
 これらの感情は 感情的脆弱性へと戻っていって、
 
 感情の深い淵へと また飛び込んでいってしまいます。
 
〔「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」
 (星和書店) 〈シャーリ・Y・マニング著〉 より〕
 [星和書店の許可のうえ掲載]
 
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