ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

まだ諦められていない残業代ゼロ法案提出

2007-01-09 20:39:35 | 時事
法案提出の考え強調=残業代ゼロ制で柳沢厚労相
 柳沢伯夫厚生労働相は9日の閣議後記者会見で、ホワイトカラーの一部を残業代の支払い対象から外す新制度「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について「懸念を十分払しょくするような法律的組み立てを固め、いいものをつくっていく」と述べ、25日から始まる通常国会に法案を提出する考えを重ねて強調した。
 同制度をめぐっては、野党ばかりでなく与党内からも「賃金抑制や長時間労働を正当化する危険性をはらんでいる」(丹羽雄哉自民総務会長)などと否定的な発言が続いている。


 下の記事に示すように公明党や自民党の幹部が難色を示しているのだが、まだ諦めていないらしい。

残業代ゼロ 自民幹事長も慎重 通常国会提出、困難に
 自民党の中川秀直幹事長は7日のNHK番組で、労働時間規制を一部撤廃する「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」について「デフレから脱却した局面で導入するのがふさわしいという感じがする」と述べ、現段階での導入に慎重姿勢を示した。公明党も同制度の導入に反対姿勢を示しており、通常国会への関連法案提出は困難な情勢となった。


残業代なしの労基法改正案提出、公明代表が難色
公明党の太田代表は6日のNHK番組の収録で、「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」制を導入する労働基準法改正案の通常国会提出について、「基本的には賛成できない」と語った。

 一部の事務職らを法定労働時間規制から外す同制度について、太田氏は「残業代が生活に組み込まれる現実があったり、職種によって残業の形態が違ったりしている」と述べ、慎重な検討が必要だと指摘した。


 引き続き、この動きに対する警戒を続けていよう。

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 以下の記事で紹介されている残業代の割増率見直しとセットで導入しようとしているのだろうか。

残業代の割増率、時間に応じ3段階に・厚生省方針
 厚生労働省は雇用ルール見直しの柱の一つとして検討してきた残業代の割増率引き上げについて、1カ月の残業時間に応じて3段階の割増賃金を支払う新制度を導入する方針を固めた。健康への悪影響が増すとされる月80時間を超す残業については、現行(最低25%)より大幅に高い50%の割増賃金を義務づける方向で労使と調整する。長時間労働を是正する狙い。ただ、規制強化だけが先行する形になれば、経済界の反発も強まりそうだ。

 厚労省は新制度を盛り込んだ労働基準法改正案を通常国会に提出。具体的な割増率は政省令で定め、早ければ2008年にも実施する。時間外労働の賃金体系を見直すのは休日労働の割増率を決めた1994年以来。(07:01)


 これ自体は働く側にとっては悪くない話だが、やはり、ホワイトカラー・エグゼンプションの適用範囲と運用方法をきちんと整備してもらわんと、有名無実になる危険がある。

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労働時間規制除外、通常国会に提出を=経団連会長
 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン<7751.T>会長)は9日の定例会見で、一定の条件を満たす会社員を労働時間規制の対象から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」について、25日から始まる通常国会において関連法案を提出するよう要望した。同制度を巡っては、与党内から提出見送りを求める声が強まっているが、御手洗会長は、「多様な働き方の一つとして承認してもらいたいと思っている」と述べた。


 キヤノンのトップとしての御手洗氏には敬意を感じていたけど、ホワイトカラー・エグゼンプションをめぐる姿勢で、ちょっと幻滅。

Good Old Boys’Network

2007-01-09 20:37:04 | しごと
日本IBM専務・内永ゆか子の「わたしのビジネススタイル」
第1回「管理職になって知った“男性社会”」

 管理職になって、私は様々な試練を体験しました。中でも私にとって大きかったものは、アメリカでもよく言われてきた“Good Old Boys’Network”です。組織の中には、マジョリティーが作ってきた独特の文化があるのです。会話の仕方などにもコツがあります。管理職になって何も知らずにその世界に入っていった私は、いろいろな人からアドバイスされることになります。
 私がステップアップするきっかけをつくってくれたのは。当時のボスです。ミネソタ州の研究所から赴任してきた人で、彼が私のメンター(仕事やキャリア上の支援者、相談相手)になってくれました。エグゼクティブの前でプレゼンテーションすることになった時、事前に彼が「内永さん、1週間前に着ていたビジネススーツを着ていくといいですよ」とアドバイスしてくれたのです。
 実を言うと、入社して10年以上経っていたのですが、私の服装はビジネスウーマンとしてはあまりにもひどかったのです。当時、男性はほとんどがダークスーツ、白シャツ、ストライプのネクタイが基本でした。ところが私は研究所にいたので、好き勝手な格好をしていました。例えば、ジーパンを履いたり革のジャケットを着たり…。
 こうした服装をしていくと周りの男性は「今日はチャーミングだね」とか「カッコいいね」と言ってくれる。私は素直だったので言葉通りに受け取り、翌日も同じような格好をして出社していました。しかし彼らが「いいね」という言葉の裏で、本当は何が言いたかったかというと「その服装は、職場に合わないよ」ということだったのです。Good Old Boys’Networkの世界に入ったばかりの私は、彼らのこうした「本音」に全く気づかなかった。馬鹿だったのですね。


Good Old Boys' Networkの話は、私も『母が教えてくれなかったゲーム』(リンク先はamazon.co.jp)で学んだなぁ(苦笑)。

日本IBM専務・内永ゆか子の「わたしのビジネススタイル」
第2回「会議で言うべきこと、部下とのつき合い方」
なぜ女性は「キツい」と言われてしまうのか


例えば、会議の席でのことです。私はそれまで、会議とは自分の意見をはっきり言うものだと思っていました。一生懸命調査し、勉強したうえで臨むわけです。しかし、せっかくいろいろ調べて案を出したのに、最後には何が決まったか分からないような会議も、中にはありました。
 ある会議の席で私は挙手して、それを指摘しました。すると皆一斉に、嫌な顔をするのです。会議の後で私はある上司に呼び止められ、こう言われました。「内永さん、今日の会議は、そういうことを言うために集まったんじゃないんだ。お互いの挨拶のようなものだから、(何も決まらなくても)いいんだよ」
 こうしたことをほかの男性は皆納得ずくで、疑問を挟まないのですね。私は、「それなら、最初にそう言ってもらわないと」と思いましたが、(こういうGood Old Boys’Networkの慣習を)だんだんに学んでいくのですね。
 またある会議で私は、反対意見を言ったことがあります。会議に出た以上は貢献しなければ、と思っていたからです。しかし私がパッと手を挙げると、周りの人は皆、「また内永さんが手を挙げた」と気を悪くした顔をしている。
 その時私は、「私はAさんの意見に反対です。なぜなら…」と論旨も明確に、三段論法を使って説明しました。すると皆、しらーっとしている。内心私は、こう思いました。「もしかしたら、私が女性だから?」
 しかし、ほかの男性の発言をよく聞いてみると、皆はっきり反対意見を言わないのですね。例えばAさんに対しては、まず笑顔で「Aさん、あなたの意見は素晴らしい」と言うのです。その後で「ただ、もっとこういう点があるといいと思いますよ」と付け加えるのです。ここまで聞くと、「なんだ、結局はAさんに反対しているじゃない」と気がつく。
 そこで私も、やっと分かりました。(自分の意見を言う前には)「枕詞」をつければいいんだ、と。私はそれまで、枕詞をつけるのは時間がもったいないと思っていましたが、円滑に物事を進めるためには、こういうことも必要だったのですね。


 この辺りはそれぞれの会社のカルチャーにもよるだろうなぁ。日本IBMにしてもそうなのかと思う一方で、私の勤める外資系企業でも"I disagree"とは正面きって言わないなぁ。まぁ「枕詞」までは必要としないけど。

 女性の方がはっきりモノを言うと思われがちなのは、この「枕詞」的な配慮を学ぶ機会がなかったからかも知れない。

 4回も仕事が替わると、行く先々で「このポジションに就けたのは、女性だからだ」という目で見られます。私はそれに反発して、「私はこの仕事をやりたかったんだ、私にはできるんだ」と思うようにし、それを示したいと必死でした。
 この頃は、私自身も人に対してキツく当たっていたと反省しています。いろいろな試練があるので、私自身ウニのように棘がピンピン張っていたんですね。そして「私はデキるのよ」と周囲に分からせるために、「あなたのロジックは違う」と相手を理論で説き伏せてしまう…。
 3つめの部署で次の異動が決まった時、私の仕事を支えてくれていたある人に聞いてみたのです。「今までいろいろ迷惑をかけたけど、私のためになると思ってアドバイスをくれませんか」と。すると彼は一言、こう言ったのです。「部下の人、そして部下の仕事を、もっと好きになってください」
 これは、本当にこたえました。それまでの私は、部下が好きじゃなかった。私にとって部下とは、「私ができるんだ」ということを証明する相手に過ぎなかったのだ。完膚無きまでに叩きのめす相手だと思っていた…。この一言を聞いた時、本当に涙が出ました。
 私ひとりでは何もできない。もっと皆を好きになって、皆に活躍の場を持たせることが大切なんだ、と気づきました。それからは、「あなたが好きよ」という気持ちを持って、皆に接するようにしています。もちろん、実際に口にするとちょっと問題ですから、言いませんけどね。
 その後は、部下と議論になったり、部下が期待以下のものを持って来た場合も、必ず「私は、本当はこの人を好きなんだ」と心の中で繰り返すようにします。すると、怒り方も変わってきます。


 なるほど、とんがっているスーパーウーマンが経験しそうなことだ。でも、ちゃんと気づいて改めることができたから、今があるんだろうな。