<残業代ゼロ制>法案提出見送りへ 政府・与党
公明党の「もう終わった話だ」という反応以上に、自民党幹部の「こんな法案を提出したら自民党に反対でない人も敵に回ってしまう」というコメントに苦笑……そりゃ、法案の性質上、前からわかっていたことでしょ。
☆★☆★
しかし、まだ厚労相はあきらめていないらしい^^;。
法案提出困難-中川幹事長 厚労相は「粛々と手続き」
安倍政権が与党と意見調整や意見統一をやりきれていないという印象が残る。
☆★☆★
残業代ゼロ、法案提出見送り=安倍首相「国民の理解得られていない」
これで決定的……ですかね^_^;。
☆★☆★
1/17追記。
<残業代ゼロ制>安倍首相が国会提出断念を明らかに
法案の趣旨が「ねじ曲がって伝わった」んじゃなくて、法案そのものがねじ曲がっていると思う^^;。
「長時間・過重労働の実情を軽視し、制度を拙速に導入しようとした政府の姿勢が理解されなかったのは、当然の結果ともいえる」……はい、ここに尽きます。
「働く人、敵に回せぬ」世論読み誤った残業代ゼロ断念
参院選を前にして、後回しにしただけ。参院選の結果次第ではやる、ということだ。油断してはならない。
政府・与党は15日、事務系社員を対象に現行の労働基準法に基づく労働時間規制から除外し、残業の概念をなくす「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入を盛り込んだ労働基準法改正案について、次期通常国会への提出を見送る方向で最終調整に入った。自民党幹部が同日夜、明らかにした。
この幹部によると同日、法案の説明に来た厚生労働省の幹部に対し「もう終わった話だ」と伝えたという。公明党幹部も同日夜、「政治判断だが現状では提出は困難だ」と語った。
同制度は管理職一歩手前の事務職(ホワイトカラー)のサラリーマンを対象に、労働基準法に基づく1日8時間などの労働時間規制を除外し、成果などを基に賃金を支払うもの。自民党幹部は「こんな法案を提出したら自民党に反対でない人も敵に回ってしまう」と指摘しており、今年最大の政治決戦となる今夏参院選を前に、サラリーマンに抵抗の強い法案を出すのは得策ではないと判断したとみられる。
公明党の「もう終わった話だ」という反応以上に、自民党幹部の「こんな法案を提出したら自民党に反対でない人も敵に回ってしまう」というコメントに苦笑……そりゃ、法案の性質上、前からわかっていたことでしょ。
☆★☆★
しかし、まだ厚労相はあきらめていないらしい^^;。
法案提出困難-中川幹事長 厚労相は「粛々と手続き」
これに対し、柳沢伯夫厚生労働相は同日の記者会見で「われわれは提出ということで変わっていない。粛々と必要な手続きを踏んでいきたい」と重ねて強調。塩崎恭久官房長官は記者会見で「まだ政府としてそういうこと(提出断念)を決めたとは認識していない。国民の理解が大事だ。引き続き厚労相が努力している」と述べた。
安倍政権が与党と意見調整や意見統一をやりきれていないという印象が残る。
☆★☆★
残業代ゼロ、法案提出見送り=安倍首相「国民の理解得られていない」
安倍晋三首相は16日夕、一部のホワイトカラーの残業代を支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」の導入について、「国民の理解が得られているとは思わない」と述べ、通常国会への関連法案提出を見送る考えを示した。
これで決定的……ですかね^_^;。
☆★☆★
1/17追記。
<残業代ゼロ制>安倍首相が国会提出断念を明らかに
柳沢伯夫厚生労働相は、法案への理解を広めたうえで提出する考えだったが、首相周辺は「(法案の趣旨が)ねじ曲がって伝わったから、それを今から(修正する)というのは難しい。根回しに失敗したということだ」と語った。
法案の趣旨が「ねじ曲がって伝わった」んじゃなくて、法案そのものがねじ曲がっていると思う^^;。
「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」を導入する労働基準法の改正案は、次期国会への提出が見送られた。厚生労働省は、サラリーマンの反発の声に「制度への誤解がある」(柳沢伯夫厚労相)としてきたが、制度の中身が明らかになればなるほど反発の声は強まり、参院選を控えた政府も断念せざるを得なくなった。
この制度は残業の概念をなくし、自由な働き方を認める一方で、どれだけ働いても残業代は一切支払われない。日本経団連など財界の要望を背景に厚労省は(1)時間を自己管理でき、ワークライフバランス(仕事と家庭生活の両立)に寄与する(2)ホワイトカラーの生産性の向上につながり国際競争力を高める――などと導入の必要性を説明してきた。
しかし、制度の対象となる30~40代の労働者は3人に1人が月80時間以上残業し、過労死の危険性が指摘される。実際、過労死、過労自殺の労災申請は毎年増え続けている。また残業代を支払わない不払い残業も依然として多い。そうした状況を放置したまま、「自由な働き方」と説明しても説得力はない。労働者の働き方を一番よく知る労働基準監督官でさえ6割が制度に反対していた。
労働組合の連合はそれらの問題に加え「チームで仕事をする日本には合わない」と強く反対した。過労死被害者の遺族も早い段階から「長時間労働、過労死を助長する」と訴え、こうした声が徐々に広がった。
長時間・過重労働の実情を軽視し、制度を拙速に導入しようとした政府の姿勢が理解されなかったのは、当然の結果ともいえる。
「長時間・過重労働の実情を軽視し、制度を拙速に導入しようとした政府の姿勢が理解されなかったのは、当然の結果ともいえる」……はい、ここに尽きます。
「働く人、敵に回せぬ」世論読み誤った残業代ゼロ断念
一定条件の会社員の残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)の法案提出を見送ることになった背景には、夏の参院選を前に「サラリーマンを敵に回したくない」との与党の判断に加え、世論の反発を読み誤って、導入を急いだ政府の拙速な姿勢がある。だが、WEは、パート労働法改正や最低賃金の引き上げなど、一連の労働法制見直しとセットで調整してきた経緯があり、経済界の反発は必至。他の法案審議にも影響を与えそうだ。
(中略)
一方、厚労省の準備不足も際立った。昨年末にまとめた審議会の報告書では、対象者の年収条件を明記せず、労使の対立した主張を併記。与党の反発を受けて「年収900万円以上」などの条件を示したが、対象者が「20万人」という試算はどんぶり勘定。かえって労働側から「導入後に範囲を拡大する意図が見える」などと批判を招く結果になった。
ただ、今国会で改正を予定している労働関係などの法案は、労使の利害調整を経て「寄せ木細工」(厚労省幹部)のようになっている。産業界が求めるWEを実現するのとセットで、労働側が求める残業代の割増率アップや、最低賃金法の強化などを産業界に受け入れさせた経緯があり、この日もパート労働法の改正案要綱が出たばかり。パートへの厚生年金の適用拡大の議論もこれからのタイミングだ。WEを認めないとなれば、全体が崩れるおそれがある。
日本経団連幹部は「WEの見送りは、総理の決断だから仕方がない。だが、(パート労働法改正など)全部セットの話なんだから、全部なし、ということだ」と話す。
一方、連合も「見送りは選挙目当て。参院選後は提出に向け再び動き出す」とみる。他の法案への影響を懸念し、「手放しで喜べない」のが本音だ。
参院選を前にして、後回しにしただけ。参院選の結果次第ではやる、ということだ。油断してはならない。