『プロフェッショナル 仕事の流儀1』茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」制作班=編 リンク先はamazon.co.jp
毎週きっちり見ている訳ではないが、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』はさまざまな職業の第一線の人々が登場して、その道の達人の考え方や姿勢に感銘を受けることが多く、良質な番組だと思う。また、脳科学者の茂木健一郎氏の脳科学的な着目点も、思考と感情・情熱、人のモチベーションなどを意識せざるを得ない仕事についている自分には興味深い。
書籍もすでに9巻出ているが、第1巻を選んだのはリゾート再生請負人の星野佳路(ほしの・よしはる)氏の回が特に印象に残っていたからだ。くつろぎの空間や時間を提供するというサービス業である旅館・ホテルをいくつも再生してきた星野氏は、経営難となった旅館・ホテルの再生にあたって、誰に対して何を提供するかというコンセプトを決めることをトップである自分の役割にしているが、決してトップダウンで決めない。データを重視しつつも、宿泊客に接する現場の声を引き出す。
ちょうど今日アテンドした研修で、ビジョンの役割は目標に向かって希望ややる気を引き出すことで、ビジョンの正しさそのものは余り重要ではないのだ、という話があったので、星野氏の談話は、特に印象に残った。
そして、徹底して現場に権限を委譲し、主体性ややる気を引き出す。特に接客の現場は顧客と接する瞬間瞬間が勝負であるから現場に判断を任せるというのは大事なのだという星野氏の見解は、たとえばCS(顧客満足)経営の走りであるスカンジナビア航空のヤン・カールソンの事例を彷彿とさせる。
他に、小児心臓外科とパティシエの事例があったが、そのどれもが面白かった。人材育成を天職にしている自分には、三人三様の、部下の育成の仕方、任せ方に当然興味がそそられる。その中でも、破綻しているリゾートを再生する星野氏、患者の命がかかっている手術の現場で若手医師を指導する佐野教授の、自分にかかっている責任の重さの一方で部下を育成することの重要性のバランスを取る姿勢の真摯さにリーダーとしての存在感を感じた(もうひとりの、パティシエの杉野氏も真剣に弟子たちと向かい合っている。ただ、重要な工程を自分でやらなければ気が済まないという点では、リーダーというよりは一職人のこだわりを感じただけだ)。
住む世界は違えど、プロフェッショナルとは、リーダーとは、ということを考えさせる好企画であると思う。中学生や高校生に、沢山の世界にいるプロフェッショナルの頂点を見てもらって、将来の自分は何になりたいかという夢や希望や意欲や情熱をかき立てて欲しいと思う。
毎週きっちり見ている訳ではないが、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』はさまざまな職業の第一線の人々が登場して、その道の達人の考え方や姿勢に感銘を受けることが多く、良質な番組だと思う。また、脳科学者の茂木健一郎氏の脳科学的な着目点も、思考と感情・情熱、人のモチベーションなどを意識せざるを得ない仕事についている自分には興味深い。
書籍もすでに9巻出ているが、第1巻を選んだのはリゾート再生請負人の星野佳路(ほしの・よしはる)氏の回が特に印象に残っていたからだ。くつろぎの空間や時間を提供するというサービス業である旅館・ホテルをいくつも再生してきた星野氏は、経営難となった旅館・ホテルの再生にあたって、誰に対して何を提供するかというコンセプトを決めることをトップである自分の役割にしているが、決してトップダウンで決めない。データを重視しつつも、宿泊客に接する現場の声を引き出す。
ちょうど今日アテンドした研修で、ビジョンの役割は目標に向かって希望ややる気を引き出すことで、ビジョンの正しさそのものは余り重要ではないのだ、という話があったので、星野氏の談話は、特に印象に残った。
そして、徹底して現場に権限を委譲し、主体性ややる気を引き出す。特に接客の現場は顧客と接する瞬間瞬間が勝負であるから現場に判断を任せるというのは大事なのだという星野氏の見解は、たとえばCS(顧客満足)経営の走りであるスカンジナビア航空のヤン・カールソンの事例を彷彿とさせる。
他に、小児心臓外科とパティシエの事例があったが、そのどれもが面白かった。人材育成を天職にしている自分には、三人三様の、部下の育成の仕方、任せ方に当然興味がそそられる。その中でも、破綻しているリゾートを再生する星野氏、患者の命がかかっている手術の現場で若手医師を指導する佐野教授の、自分にかかっている責任の重さの一方で部下を育成することの重要性のバランスを取る姿勢の真摯さにリーダーとしての存在感を感じた(もうひとりの、パティシエの杉野氏も真剣に弟子たちと向かい合っている。ただ、重要な工程を自分でやらなければ気が済まないという点では、リーダーというよりは一職人のこだわりを感じただけだ)。
住む世界は違えど、プロフェッショナルとは、リーダーとは、ということを考えさせる好企画であると思う。中学生や高校生に、沢山の世界にいるプロフェッショナルの頂点を見てもらって、将来の自分は何になりたいかという夢や希望や意欲や情熱をかき立てて欲しいと思う。