ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

『プロフェッショナル 仕事の流儀1』

2007-02-05 21:46:34 | 読書
『プロフェッショナル 仕事の流儀1』茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」制作班=編 リンク先はamazon.co.jp

 毎週きっちり見ている訳ではないが、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』はさまざまな職業の第一線の人々が登場して、その道の達人の考え方や姿勢に感銘を受けることが多く、良質な番組だと思う。また、脳科学者の茂木健一郎氏の脳科学的な着目点も、思考と感情・情熱、人のモチベーションなどを意識せざるを得ない仕事についている自分には興味深い。

 書籍もすでに9巻出ているが、第1巻を選んだのはリゾート再生請負人の星野佳路(ほしの・よしはる)氏の回が特に印象に残っていたからだ。くつろぎの空間や時間を提供するというサービス業である旅館・ホテルをいくつも再生してきた星野氏は、経営難となった旅館・ホテルの再生にあたって、誰に対して何を提供するかというコンセプトを決めることをトップである自分の役割にしているが、決してトップダウンで決めない。データを重視しつつも、宿泊客に接する現場の声を引き出す。

 ちょうど今日アテンドした研修で、ビジョンの役割は目標に向かって希望ややる気を引き出すことで、ビジョンの正しさそのものは余り重要ではないのだ、という話があったので、星野氏の談話は、特に印象に残った。

 そして、徹底して現場に権限を委譲し、主体性ややる気を引き出す。特に接客の現場は顧客と接する瞬間瞬間が勝負であるから現場に判断を任せるというのは大事なのだという星野氏の見解は、たとえばCS(顧客満足)経営の走りであるスカンジナビア航空のヤン・カールソンの事例を彷彿とさせる。

 他に、小児心臓外科とパティシエの事例があったが、そのどれもが面白かった。人材育成を天職にしている自分には、三人三様の、部下の育成の仕方、任せ方に当然興味がそそられる。その中でも、破綻しているリゾートを再生する星野氏、患者の命がかかっている手術の現場で若手医師を指導する佐野教授の、自分にかかっている責任の重さの一方で部下を育成することの重要性のバランスを取る姿勢の真摯さにリーダーとしての存在感を感じた(もうひとりの、パティシエの杉野氏も真剣に弟子たちと向かい合っている。ただ、重要な工程を自分でやらなければ気が済まないという点では、リーダーというよりは一職人のこだわりを感じただけだ)。

 住む世界は違えど、プロフェッショナルとは、リーダーとは、ということを考えさせる好企画であると思う。中学生や高校生に、沢山の世界にいるプロフェッショナルの頂点を見てもらって、将来の自分は何になりたいかという夢や希望や意欲や情熱をかき立てて欲しいと思う。

平均気温が6.4度も上昇しちゃったら

2007-02-05 21:21:56 | 時事
 平均気温が6.4度も上昇しちゃったら、日本の大半は人の住めない地域になるんじゃなかろうか……いや、その前に海面が上昇して日本の沿岸部の多くが水没してしまうだろう……(汗)。

今世紀末、最悪6.4度上昇 国連報告「温暖化は人的要因」
 地球温暖化に関する研究を集約する国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第1作業部会は2日、パリで第4次報告書を発表した。それによると、今世紀末までに平均気温が最悪6.4度上昇する恐れがあると指摘している。また悪天候などで2億人が「難民」になる恐れがあるという。

(中略)

 世界最大のサンゴ礁、オーストラリア北東沖のグレートバリアリーフが消滅し、日本では本州のほとんどのスキー場が雪不足で経済的打撃を受ける-。温暖化による被害をまとめた政府間パネル(IPCC)の第2作業部会の報告書案は今春発表の予定だが、漏れてくる内容からは地球の急激な変化が浮かび上がる。

 AP通信によると、インドネシアのウィトゥラル環境担当相は「2030年までに、海水位の上昇でわが国の約1万8000余りの島のうち2000が水没する」と警告を発した。

 海外メディアや関係者の話を総合すると、温暖化ガスの二酸化炭素が海に溶けて海水の酸性化が進み、全長2000キロのグレートバリアリーフが石灰化、ウミガメや熱帯魚など1500種類に及ぶ海洋生物の生息地が失われる危険性を同報告書案は指摘。毎年数百万人の観光客が訪れるため、経済的損失は大きい。

 日本に関しては、冬の平均気温が3度上昇すれば北海道を除く本州のほとんどのスキー場で積雪が減り、スキー客は3割以上減少する。冬季レジャーを大幅に見直す必要が出てくるという。

 海水位の上昇による被害予測では、海水位が現在より1メートル上昇すると被害を受ける危険のある地域は2.7倍に膨れあがり、410万人が被害を受ける可能性が指摘されている。

 気候変動をまとめた第1作業部会の報告書が2日に発表されたが、それによると、日本を含む東アジアで降雨量が増加し、梅雨の期間が長くなる。特に西日本で夏季の降雨量は増える。一方で、雨が降らない日が続くこともあり、深刻な水不足になる恐れもある。


 もっとも、海面上昇は一気に来るわけじゃなかろうから、徐々に進行する海面上昇に合わせて埋め立てを進めるということになるのかな。今でも海抜0メートル以下の住宅地はあるわけだから、オランダのように堤防で囲むのか(汗)。

温暖化で日本の砂浜9割が消失、農漁業も影響…環境省
地球温暖化が加速しているとの国連の報告書が2日、発表されたのに合わせ、環境省は同日、これまでの国内での調査研究結果をまとめた資料集を公表した。

(中略)

  国立環境研究所などの予測によると、今世紀末、日本では最高気温30度以上の真夏日の日数(2006年は東京で38日)が2~3倍に増える。エルニーニョ現象がより顕著になり、6~8月には豪雨になる頻度が増し、異常気象がますます深刻化する。

 その結果、コシヒカリの栽培では、苗をこれまでと同時期に植えた場合、気温の高まりで50年後に東北地方南部から南の多くの地域で、約10%収穫量が減る。生育も不十分となり、米粒が乳白色化して、品質が下がる。九州北部から中部の水田では、太陽熱で蒸発する水分量が増加、慢性的な水不足が予測される。

 ミカンの生産適地は北上し、冷涼な気候向きのトマトの糖度が下がる。

 健康へのリスクも高まる。1940年代に長崎、大阪などで流行したデング熱を媒介する蚊の一種ヒトスジシマカはすでに2005年、岩手、秋田県で確認されているが、その生息域が一層、北に広がる。最高気温が35度を超えると、熱中症患者の急増が予想される。

 国連の報告書は、世界中で海面上昇が発生すると予測しているが、仮に日本沿岸で海面が1メートル上昇した場合、砂浜の面積の90%が消失し、渡り鳥の餌場となっている干潟もなくなる。東京、大阪湾などでは高潮対策に7兆8000億円が必要になるなど、巨額の投資が必要になる。

 海水温が2度前後上昇しただけでも、サンマ、イワシ、サバなどの漁場が北上し、トラフグを養殖できる海域は縮小。大型クラゲによる被害がより拡大する恐れもある。


 地形、天候、食糧事情、全部に影響するなぁ……自分はあと90年も生きられないだろうが、このままだったら、その時代を生きる人々に「20世紀から21世紀前半の世代が何もしなかったから」と恨まれるようなことになるだろう。

 とりあえず自分は自家用車を持たない程度の貢献はしているが……うーん、まだまだ足りないなぁ。

雇用者側がホワイトカラー・エグゼンプション導入を諦めない訳

2007-02-05 13:30:00 | 時事
 森永卓郎氏のコラムがわかりやすい解説をしてくれている。

構造改革をどう生きるか
~成果主義・拝金思想を疑え!~ 森永卓郎
第67回 ホワイトカラー・エグゼンプション、導入の動きは消えていない
 それでは、なぜ財界と政府はこれほど強引に進めようとしたのだろうか。それを読み解くには過去を見る必要がある。

 日本では2002年1月から景気回復が始まり、名目GDPが14兆円増える一方、雇用者報酬は5兆円減った。だが、大企業の役員報酬は1人当たり5年間で84%も増えている。また、株主への配当は2.6倍になっている。

 ということは、パイが増える中で、人件費を抑制して、株主と大企業の役員だけが手取りを増やしたのだ。

 ただ、人件費抑制の中で、正社員の給料は下がったとはいえ、それほど劇的には落ち込んでいない。ではなぜ雇用者報酬が減ったのか。一番の原因は正社員が300万人減って、非正社員が300万人増えたことだ。正社員に対する非正社員の比率が大幅に上がったのである。

 正社員の年収は300万~500万円に対して、パートなどの非正社員は100万円前後。人件費を大幅に削減できたわけだ。

 ところが、このやり方にも限界が見えてきた。というのも非正社員の尻ぬぐいは正社員がしなければならないからだ。ファミリーレストランやコンビニ、銀行でさえもいまや前線に立っているのはパートだ。ただ、パートが急に休んだり、トラブルを起こしたときには正社員が対応しなければならない。これ以上、パート比率を上げるとビジネスが崩壊してしまうというところが見えてきたのだ。

 パート比率は上げられない、パートの給料もこれ以上、下げるわけにはいかない。結果、ホワイトカラーの給料を下げるしかないのだ。しかし、法令によって一方的に労働条件が不利益になる変更は禁止されている。つまり、勝手に理屈なく給料は下げられない。

 そこで、使用者側が一番都合がいいのは残業代を払わないことなのだ。

 このまま、ホワイトカラー・エグゼンプションが通るとは思わないが、今でさえ、残業代が100%支払われているわけではないことを使用者側は明らかにするべきだ。

 労働運動総合研究所の推計では現在、残業代の4割しか支払われていない。それがゼロになる可能性がある。

編集部注:労働運動総合研究所の試算ではホワイトカラー・エグゼンプションの導入によって、年収400万円以上のホワイトカラーから横取りされる残業代総額は11.6兆円に上る。これはホワイトカラー1人当たり年間114万円にもなる勘定だ。

 経済同友会が昨年(2006年)11月21日にホワイトカラー・エグゼンプションに対する意見書を発表したが、「当面は現行の裁量労働制を活用し、並行して長時間労働などの是正を進めたうえで、改めて労働時間規制の適用除外について議論を深めることが望ましい」と、自律的労働時間制度は時期尚早だと批判した。

 さらに与党のなかでも公明党は早い段階からホワイトカラー・エグゼンプションは慎重に検討するように求めており、今年に入ってからついに自民党内からも反対論が噴き出してきた。このまま強行突破を続けると参議院選挙に悪影響が出ることを恐れたのだろう。

 今後、仮に主任クラスだけを対象に残業代をなくすとしても、それは結果的に平社員にも影響を与えるだろう。というのも、主任の残業代がゼロになって、部下である社員の給料がそれを上回るという状況をそのままにすることはあり得ないからだ。また、ホワイトカラー・エグゼンプションは労働時間の管理をやめて、地獄の底まで働かせる制度なので過労死も増えるだろうといわれている。


 しかし、それは参院選対策のためだけのこと。自民党が負けなかったら(勝ったら、ではないだろう)、やっぱり導入するだろう……「サラリーマンはもっと政府や財界に怒りの声を上げるべきではないだろうか」と、森永氏は結ぶ。

 このコラムでは「サラリーマンは消費税率の引き上げと併せて、“二つの台風”に直撃されることになる」と書かれているが、台風は三つではないだろうか。消費税率に加えて、所得税と地方税の比率見直しの結果実質的な増税が1年後にやってくるからだ。

 あな怖ろしや。



 

大企業の3社に1社、月100時間以上残業

2007-02-05 13:23:48 | 時事
<長時間残業>大企業の3社に1社、月100時間以上
 大企業の3社に1社は月100時間以上の残業をする人がいる。中央労働委員会が実施した06年賃金事情等総合調査の速報で、こんな実態が明らかになった。残業という概念をなくす日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度が議論となっているが、長時間残業の常態化が浮かび上がった。


 この記事では残業時間が月100時間以上の社員が何人いるかはわかりません。

 副業の関係で規模様々な企業で働く人たちと接点がありますが、平日は残業で深夜までという方はかなり多いです(その合間に勉強に来ている方々ですが……)。

 経営者側には、ホワイトカラー・エグゼンプションより、優秀な社員を過労死や病気などで失わないような施策を先に考えて欲しいものです。