立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第97回 お粗末大臣のクビを切れない安倍内閣の「弱さの理由」
この後に「そういっては何だが、いろいろ名前があがっているお粗末大臣連中をクビにしようとどうしようと、天下国家の問題に直結するわけではないが、内閣官房副長官のポストを正常に機能するようにできるかどうかは、国家の営みそのものに直結する問題なのである」と書いているのが苦笑ものだ。そうだわな、これらの閣僚じゃ官庁に影響力を及ぼしようがないわ。
いや、その美辞麗句に酔ってしまうナルシシズムに溢れた、現実の状況判断能力とリーダーシップが明らかに欠如した人物を一国の首相に置いておくこと自体、危機的な状況でしょう……私は笑えない^_^;。
第97回 お粗末大臣のクビを切れない安倍内閣の「弱さの理由」
先に、安倍内閣の最大の欠陥の一つが、的場順三内閣官房副長官にあると書いた。内閣官房副長官というのは、官僚機構のいちばんの要(かなめ)役といっていいポストだから、ここに人を得るかどうかで、その内閣がどれだけ官僚機構をうまく使えるかが決まるといってよい。
ところが安倍首相は、ここに的場順三という、大蔵官僚OBで国土庁事務次官経験者ではあるが、民間に出て長く(大和総研理事長ほか)、現役の官僚たちにニラミがきくとも思えない人物を、単に個人的によく知っているというだけの理由で抜擢してあてたため、官僚を使うどころか官僚に使われる内閣になってしまっている。
(中略)
すでに、柳沢厚労相の失言問題、松岡農水相、伊吹文科相などの事務所経費問題、久間防衛相の失言問題等で、内閣改造を早期に行うべしの議論があちこちで出ている。私はそのようなお粗末大臣の処理のためというより、官房副長官問題の筋目をキッチリつけるためにも、内閣改造は早く行うべきだと思っている。
この後に「そういっては何だが、いろいろ名前があがっているお粗末大臣連中をクビにしようとどうしようと、天下国家の問題に直結するわけではないが、内閣官房副長官のポストを正常に機能するようにできるかどうかは、国家の営みそのものに直結する問題なのである」と書いているのが苦笑ものだ。そうだわな、これらの閣僚じゃ官庁に影響力を及ぼしようがないわ。
柳沢厚労相は、「女は子供を産む機械」論につづけて、「子供2人が健全」論で、まただいぶ叩かれているようだが、こういう発言が続出するのは、この人の日本語能力に基本的に欠けているところがあるからだろう。
日本語能力の基本に欠けているところがあるのは、安倍首相も同じだろう。
そもそもこの人が大好きな「美しい国」というスローガンがおかしい。そのような、内容が曖昧で、使う人によって意味が全くちがってくる主観性100%の形容詞を政治目標にかかげること自体がおかしいのである。そのおかしさにいまでも気がつかず、何度も何度もこの表現を使うたびに自己陶酔しきった表情を見せる安倍首相の顔を見るたびに、
「おいおい、しっかりしろよ。いいかげんに美辞麗句に酔う女学生趣味をやめないと、笑われるぞ」
といいたくなる。
いや、その美辞麗句に酔ってしまうナルシシズムに溢れた、現実の状況判断能力とリーダーシップが明らかに欠如した人物を一国の首相に置いておくこと自体、危機的な状況でしょう……私は笑えない^_^;。