ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

参院選対策だな

2007-02-06 20:24:39 | 時事
残業代割増率上げで与党「今国会に法案を」 ホワイトカラー・エグゼンプション削除
 自民、公明両党は六日午前、残業代の割増率引き上げを盛り込んだ労働基準法改正案を、一部労働者を残業代支払い対象から外すホワイトカラー・エグゼンプションを削除した上で、今通常国会に提出するよう政府に求める方針を決めた。同日午後に与党協議を行い、割増率などの具体案を詰め、政府に申し入れる。

 ホワイトカラー・エグゼンプションの導入論議は参院選後に先送りされた。経済界は、割増率引き上げも合わせて先送りするよう求めているが、与党は「長時間労働の抑制に必要」(川崎二郎自民党雇用生活調査会長)として今国会成立を目指す。ただ、負担増への懸念が強いことから、与党は中小企業については法律の施行から三-五年の猶予期間を設ける方向で調整している。


 もともと残業代割り増しとホワイトカラー・エグゼンプションはセットで経営者側(財界)の了解をもらっていたわけだが、ホワイトカラー・エグゼンプションの方は労働者側の猛反発を食らって、残業代割り増しだけを残した感じ……参院選対策のために経営者側に譲ってもらったというところだろうか。

残業代割り増し、今国会提出指示へ・首相
 残業代引き上げは「景気回復の恩恵を家計に広げる」との首相の考えに沿ったもので、長時間労働を是正し、少子化対策につなげる狙いもある。7月の参院選を控え、若者ら無党派層を重視する戦略の一環だが、企業などから「選挙目当て」との批判も出そうだ。


 支持率が落ちっぱなしの安倍政権としては、一般受けする政策の目玉はこれぐらいしかない、んだろうな。でも、参院選終わったら、残業代ゼロ法案を復活させる可能性は高いわけで、期待通りの支持を集めるかどうか、自分としては懐疑的。ターゲットとしている層は、おいしい話には裏があることをさんざん経験させられてるわけで。

何をもって「健全」か

2007-02-06 20:24:23 | 時事
柳沢厚労相「結婚、子供2人」発言に疑問の声
 柳沢厚生労働相の発言が、また波紋を広げそうだ。野党側が国会運営の正常化に向けて動き始めた矢先。「女は産む機械、装置」発言の波紋が残る中、6日の会見では若者が「結婚し、子どもは2人以上持ちたいという健全な状況にある」などと語った。識者からは改めて疑問の声が上がった。


 夫婦に子供ふたりが「健全」という感覚なのだから、なぜ少子化が続いているのかはおわかりにならんでしょうね(嘆息)。という意味で、小倉千加子さんと自分は同じ感覚。

 心理学者の小倉千加子さんも「結婚したい、子供が2人以上ほしい、というのを健全とすること自体、古い道徳観からくる発言で、年齢的な限界を感じる」と言う。「こういう発言が止まらない人が厚生労働大臣をしているから、ピントのずれた政策が続き、少子化が止まらないのだと思う。(夫の発言をメディアでしかった)奥さんはずっとまともな方のようだから、これからは外で何か発言する前に、奥さんにチェックしてもらった方がいい」と話した。


 そもそも結婚したくても仕事に追われて晩婚化している若い世代がある。

 さらに、夫婦共働きで深夜まで残業が続き、とても子供を持つどころではない、産んでも保育施設は順番待ちで働きながら育てる環境が整っていない、という夫婦子供なしの世帯がある。

 お上に「産めよ増やせよ」と旗を振ってもらっても、子供を産んで育てるインセンティブにはならないのだ。その辺を理解できる人に担当大臣をやっていただきたい……それとも、自民党にはそういう人はいないか(苦笑)。

まだ様子見

2007-02-06 20:23:45 | 時事
「共謀罪」対象を大幅削減、テロなど5類型に限定
 自民党の「条約刑法検討に関する小委員会」は5日、「共謀罪」創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案について、継続審議中の政府案の修正原案をまとめた。

 対象犯罪を、テロ、薬物、銃器、密入国・人身取引、組織犯罪の5類型に限定する。政府案では、一律に「懲役4年以上(罪種600超)の罪」としているが、これを抜本的に改め、犯罪の性質に着目して対象を絞り込む。

(中略)

 政府がこれまで対象犯罪を一律に「懲役4年以上の罪」としてきたのは、外務省の条約解釈に従ったためだ。これでは、テロや組織犯罪と関係の薄い、公職選挙法、森林法、地方税法の違反なども対象に含まれ、捜査当局による乱用の懸念があると批判が出ていた。そのため、自民党の修正案は従来方針を転換し、条約解釈にはとらわれず、組織犯罪の未然防止の目的で対象犯罪を選び出すことにした。また、「共謀罪」が、市民団体や労働組合などが対象外であることを明確化するため、「テロ・組織犯罪謀議罪」と罪名の変更も検討する。


これでテロ・組織犯罪のみを対象にできるかどうか、もう少し様子見。

「御用学者」といったら失礼だが

2007-02-06 12:53:35 | 時事
 「失礼だが」と断って失礼なことを堂々と言う(笑)柳沢厚労相の手法を真似させていただいた。

“労働ビッグバン”が狙う真の標的
「改革は大半の労働者に利益」と経済財政諮問会議の八代尚宏氏


 去年からホワイトカラーエグゼンプション関連の話題を追いかけてきた自分の視点では、経営者の論理のみに耳を傾ける御用学者という先入観がすでに出来上がっている。失礼だけど(笑)。

NBO 今回の労働法制の改革では、“残業代ゼロ法案”と呼ばれるホワイトカラー・エグゼンプションが論争の的になっていますが、これは全体の一部に過ぎないのであって、改革の全体像については多くの人にうまく伝わっていませんね?

八代 残念ながら、全く伝わっていないですね。

 かつての金融法制は、銀行法、信託法、証券法といった業法がばらばらに規制をかけていて、全体としての整合性が取れていなかった。それを根本的に見直して金融市場の共通ルールを作り直したのが“金融ビッグバン”でした。

 労働市場も同じなんです。現在の労働法制は、労働基準法は主に企業の正社員、“パート法”はパート労働者、“派遣法”は派遣労働者というように縦割り、継ぎはぎだらけです。しかも、請負については「労働者とは位置づけられない」という教条主義があって法体系から全く抜け落ちていたりする。全体を見渡して労働者保護の観点から働き方の新しい「共通ルール」を作ろうというのが労働ビッグバンなのです。


法体系の整備が必要なのはわかる。しかし、「ビッグバン」と名のつくものについて言えば、もともと金や力のある者が金や力のないものを駆逐する「自由化」に関する現象ばかりを目にしている。「労働力ビッグバン」とは、非正規労働者には不安定な雇用と低賃金と過酷な労働条件を、正規労働者には過剰な時間外労働と残業代カットを押し付けるものにしか見えません。

NBO 規制緩和、改革の結果として格差が広がったという声がありますが?

八代 それは全くの誤りです。盛んに言われている格差や貧困の多くは長期経済停滞の影響から生じているものであって、規制緩和をしたからではありません。あえて言うなら、こっちは緩めて、あっちは手つかずのまま放置するというような、ちぐはぐな対応を繰り返してきたことによって歪みを生み出した面はあるかもしれません。労働市場全体を見渡した整合性の取れた施策が必要なのであって、こんなところで改革を止めてはいけません。


 この一部分を読んだだけで、労働意欲が萎えてしまう。長期経済停滞の影響から来ている現象なのでこのプロジェクトには関係がないという論法だろうか。実際に生じている格差については「歪みを生み出した面はあるかもしれません」と言っておいて、放置ですか(経済学者は解説さえしていればいいんでしょうか)。

 そこから先は、ホワイトカラー・エグゼンプション法案を推し進めた側の論理の繰り返し。

 月100時間以上の残業をしている社員がいる会社は、大企業の3社に1社という記事を読んだばかりの自分には、成果主義という名目のもとに、残業時間管理を放棄しようという経営側の論理しか読み取れません……。 株主への配当や企業役員報酬の率は上がっているのに、正社員からはますます搾取ですか……。