キヤノン、派遣・請負の正社員化後回し 新卒採用を優先
労働局の指導を受けた偽装請負・派遣労働をうやむやにしておいて、 若い高校生を新卒で採用……経団連会長でもある御手洗氏は、法律の方が悪いと開き直ってしましたっけ。
柳沢厚労相、経団連会長の発言を批判 労働者派遣法巡り
「偽装請負」をうやむやにしたまま新卒を採用しようとするキヤノン側の姿勢、ホワイトカラー・エグゼンプション法案を出せなかった厚労相と経団連会長の間に少し緊張関係が増したような気がします。
違法な「偽装請負」の是正策の一環として、請負・派遣労働者の一部を正社員に採用すると昨夏に表明していたキヤノンが、その後半年間の検討を経て、当面は高校新卒者らの正社員採用を優先する方針に転換した。政府は、新卒一括採用システムの見直しや非正規労働者の正社員化の推進を重点課題にしているが、キヤノンの方針転換は、こうした流れに逆行しそうだ。
キヤノングループでは、他社に雇われた非正規労働者を派遣契約なしで直接使う偽装請負が各地の工場で発覚し、労働局の指導を受けた。昨年8月に社長をトップとする「外部要員管理適正化委員会」を設置。偽装請負の解消に取り組むとともに、工場で請負や派遣で働く2万人以上の労働者から1、2年のうちに数百人を正社員に採用すると表明した。
ところが、今月に入って取材に応じた人事本部長の山崎啓二郎取締役は「技術の伝承、組織の活性化のために、若い人を採ることになった。新卒の定期採用のほうが中長期には人材的に安定する」と説明。代わりに高校や工業高専の新卒者の定期採用に力を入れる方針を明らかにした。08年春は高校新卒を100人、高専新卒を40人と採用をほぼ倍増させるという。
同社は非正規労働者の正社員化について「撤回したわけではなく、優秀な人がいたら採用する」という。ただ、その判断はグループ各社に委ねており、採用予定数も示していない。
労働局の指導を受けた偽装請負・派遣労働をうやむやにしておいて、 若い高校生を新卒で採用……経団連会長でもある御手洗氏は、法律の方が悪いと開き直ってしましたっけ。
柳沢厚労相、経団連会長の発言を批判 労働者派遣法巡り
柳沢厚生労働相は16日の衆院予算委員会で、日本経団連の御手洗冨士夫会長が製造業などへの派遣期間を制限している労働者派遣法の見直しを求めていることについて、「(派遣社員という立場が)固定化してしまうのはいいことではない。労働者派遣法の趣旨と反している」と批判し、見直しに否定的な考えを明らかにした。また、製造業に広がる派遣や請負の労働形態について「労働者に厳しい状況になりがちだ」と述べ、労働者の職場環境を改善するガイドライン策定を進めていると説明した。中川正春氏(民主)の質問に答えた。
御手洗氏が会長を務めるキヤノンは、違法な労働形態「偽装請負」をしていたとして行政指導を受けたことが明らかになっている。御手洗氏は安倍内閣で経済財政諮問会議の民間議員に起用され、昨年10月の同会議で「請負法制に無理がありすぎる。どんどん派遣社員が正社員に代わっているが、今の派遣法のように3年で正社員にしろ、とすると日本のコストは硬直的になる。派遣法を見直してほしい」と発言していた。
「偽装請負」をうやむやにしたまま新卒を採用しようとするキヤノン側の姿勢、ホワイトカラー・エグゼンプション法案を出せなかった厚労相と経団連会長の間に少し緊張関係が増したような気がします。