9条改正と、差し迫る国難に対処するための憲法解釈変更を検討すべき
[HRPニュースファイル702]
◆差し迫る国難に対処するための憲法解釈変更を考えよ!
いよいよ選挙戦も終盤に入り、各党が浮動票を獲得するための戦いに入る中、ほとんどの政党は、経済政策に重点を置いた訴えをしています。
自民単独で70議席近く獲得とも予想する報道が出される中で、自信を深めたのでしょうか。公示後、改憲について言及を控えていた安倍首相が9条改正について言及。将来的な憲法9条改正に意欲を示しました。(7/16 共同「安倍首相、将来の9条改正に意欲 自衛隊を軍隊として位置づけ強調」)
自民党は憲法改正草案の中で、9条改正と国防軍創設を謳っていましたが、今回は(も)完全にトーンダウンしています。
選挙戦終盤にやっと9条改正に言及する様子を見ますと、安倍首相は、実際に9条改正を「遠い将来のこと」と考えているようです。
また、連立を組む公明党という、憲法改正のブレーキ役も存在しています。
こうした状況を踏まえると、国を守るためには、9条改正を訴えつつも、同時に、差し迫る国難に対処するための憲法の運用を考える必要があります。
幸福実現党も参院選の公約として、「憲法9条を改正します。それまでの間は、憲法解釈の変更で有事への備えを万全にし、隣国の脅威から日本を守ります」と掲げています。
そこで、本日は、憲法9条の解釈変更に関し、特に「自衛戦争合憲説」をご紹介、検証してみたいと思います。
◆9条をどう読むか?
憲法9条は、下記2項から成り立っています。
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
第1項で「戦争・武力行使という選択肢の放棄」をしていますが、「国際紛争を解決する手段としては」という留保が付いています。
いわゆる1928年の不戦条約では、同じ文言を用いて「侵略戦争の禁止」が国際的に同意されていることに鑑みると、この「国際紛争を解決する手段として」の戦争・武力行使とは、侵略戦争・侵略的武力行使だと言えます。
とすれば、9条1項は、侵略戦争(のみ)の放棄であり、自衛戦争まで放棄したものではないのです。
そして、次は、9条2項の「前項の目的を達するため」、いわゆる芦田修正をどう考えるかということです。
9条2項では、「一切の戦力の不保持と交戦権の否認」が定められているのですが、「前項の目的」とは関係ない場合はどうなのかという疑問がわいてきます。
「前項(1項)の目的」を「侵略戦争の放棄のため」とした場合、9条2項は「侵略戦争のための戦力は持たないが、自衛戦争のための戦力は持たないとは言っていない」と読むことができます。
9条1項を「侵略戦争の放棄」と読み、2項を「侵略戦争目的のための戦力は持たない」とすると、「自衛戦争」は憲法9条に反していないことになります。
これがいわゆる「自衛戦争合憲説」であり、これによって「(侵略戦争のためではない)自衛戦争のための陸海空軍その他の戦力は保持できる」と読むことができます。
◆「自衛戦争合憲説」は妥当なのか
この「自衛戦争合憲説」は、政府にも採用されておらず、憲法学者の多くからも反対されています。戦後の憲法学の大家、芦部信義東大教授らも、「自衛戦争合憲説」の難しさを指摘しています。
しかし、本当に採用できない解釈なのでしょうか?「自衛戦争合憲説」への批判を検証してみます。
【難点1】 「自衛戦争合憲説」は、憲法の前文の“格調高い”平和主義と合わない
しかし、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という言葉が、隣国の中国や北朝鮮、かつてのソ連については全く当てはまらないことは否定しようがありません。
さらに、崇高な理念を世界的に実現しようとした国際連合は、平和を実現する国際組織として十分に役割を果たせていないのが現状です。
とすると、前文に謳われているような“格調高い”内容というのは、空理空論ではないのかと、問い直さねばならないと思います。
【難点2】 「自衛戦争」と「侵略戦争」の区別は難しい
第二次大戦で侵略行為を繰り返したナチスドイツも、「これは自衛戦争だから正当だ」と言っていたことに対する警戒でしょう。
ですが、これを突き詰めれば、国内の治安を保つ警察の実力以上の一切の装備や兵器を持つことはできないことになります。
国家と国民が“丸裸”になるのを容認することになってしまうのです。
【難点3】 9条2項の「前項の目的を達するため」という文言は、「決意を表したもので、何の意味もない」という解釈が広く認められている
事実、この文言を入れた芦田均自身が、「これは自衛戦争を合憲にするための“付け足し”だ」というようなことを全く言っていません。
ですが、制定したのは戦後間もないGHQ統制時のことだったため、それを以て、自衛戦争合憲説を否定することはできないのではないかと思います。
敗戦直後の国会において、「自衛戦争をそのまま認める」という動きが認められたはずがありません。これらの事情を考えても、自衛戦争合憲説の憲法解釈は十分に論理的ではないでしょうか。
◆「自衛戦争合憲説」は、憲法上認められるのか
憲法は「自由の基礎法」であり、国民の生命・安全・財産、そして自由のために存在している限り、絶対に遵守しなければなりません。
戦後の護憲派は、人権尊重・国民主権・平和主義の3つを絶対に守られるべき価値だと断言し、9条改憲を阻止する論陣を張っていますが、9条が絶対不可侵のものとは思えません。平和を実現する方法は、価値観や時代背景に左右されるからです。
ただ、9条の解釈を「自衛戦争合憲説」の方向に変更しようとすると、96条の改正の時以上に、大きな反論が起こされるはずです。解釈改憲で、憲法のあり方を変えることが、“独裁者”の手法に見えるからでしょう。
しかし、現に憲法9条の改正が間に合わず、国民の生命、安全、財産、何より自由を守れなければ、何のための憲法なのでしょうか?
現在は「集団的自衛権」についてのみ解釈の議論がされていますが、万が一のため、9条自体の解釈も検証されることが望まれます。
「自衛戦争合憲説」を採った上で、日米同盟や国連を通した国際協力に日本がどう関わるのかについて、基本法の制定や自衛隊法の改正で補うことを考えても良い時期でしょう。(HS政経塾 第3期生 森國英和)
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【参院選・動画】「アベノミクス」のネタ元は「オオカワノミクス」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6357
デフレ脱却に向けて、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」。言葉の響きもあいまって、安倍首相オリジナルの全く新しい考え方のように聞こえるが、実は「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」という三本の矢は、2009年の立党以来、幸福実現党が訴えてきた政策と方向性を同じくする。
このたび、「アベノミクスのネタ元は…!?」と題する動画が、youtube にアップされた( http://youtu.be/OIriLzsY9vE )。大川隆法・幸福実現党創立者兼総裁の講演の抜粋映像と、幸福実現党の過去の主要政策の紹介を通じ、同党の先見性を証明する内容となっている。
第一の矢である「金融政策」。驚くべきは、幸福実現党発表した「2009年衆院選主要政策」に、「金融政策として、3%程度のインフレ目標値を設定」と、すでに「大胆な金融緩和」を掲げていることだ。
大川総裁は同年7月、「インフレターゲットの導入」を提言している。
第二の矢である「財政出動」。大川総裁は09年8月、「財政政策と金融政策の両方があって、日本経済は本当に離陸することができる」と演説しているが、幸福実現党の「2010年参院選主要政策」には、「大胆な金融緩和とともに、積極的な財政支出を行う」旨を明記。
第三の矢である「成長戦略」。幸福実現党は09年以来、新たな基幹産業を育てて、民間の活力を高める高度成長戦略を提言。大川総裁も10年5月の講演で「未来産業をつくってこの国を高度成長にもっていく、まずは3〜5%ぐらいの成長にもっていく」と述べている。
期待外れとされるアベノミクスの成長戦略だが、幸福実現党が今年発表した「2013年参院選主要政策」では、高付加価値の未来産業を育成するための「200兆円未来国家建設プラン」を掲げている。10年間で航空・宇宙産業、防衛産業、ロボット産業、新エネルギー開発などを育成するとともに、次世代交通インフラを整備し、高度経済成長を実現するとしている。
過去の安倍氏が訴えることのなかった「アベノミクス」。その是非が参院選の争点となっているが、その源流にあるものは幸福実現党の経済政策であり、本来、「オオカワノミクス」と呼ぶにふさわしいものだ。
ここまで幸福実現党の政策を後追いするのであれば、安倍首相には、幸福実現党が主張している消費増税中止をぜひ決断していただきたい。(裕)
【参考書籍】
幸福の科学出版 『日銀総裁とのスピリチュアル対話』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2
アマゾンの同書紹介ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/486395168X/
【参院選】幸福実現党の矢内筆勝党首が会見 「南京大虐殺や十分慰安婦はでっち上げ」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6355
幸福実現党の矢内筆勝党首が18日、日本外国特派員協会(東京・有楽町)での記者会見に臨んだ。参院選に向けて打ち出す政策のなかから、国防と歴史認識を中心にスピーチと質疑応答を行なった。
矢内氏は会見で、中国が尖閣諸島近海の領海侵犯を繰り返し、沖縄を核心的利益と称していることについて、侵略の意図があることは明らかだと指摘。また、北朝鮮の核弾頭の小型化が進んでいるとみられていることからも、国防は待ったなしとして、「平和のための抑止力を強化しなければならない」とし、憲法9条の改正を正面から訴えると表明した。
また、歴史観の問題については、中国政府が主張する南京大虐殺や韓国が外交問題にしている従軍慰安婦の強制連行などはいずれも明確な証拠がなく、「Fabrication(でっち上げ)」であると指摘。慰安婦の問題については、当時「慰安婦」と呼ばれる職業の人はいたが、あくまで民間業者が雇ったもので給料も高く、日本軍が強制連行したというのは日本人の誇りを汚すものだとした。韓国に対しては、真実は真実と訴えながら冷静な議論を進め、自由や民主主義といった価値観を共有する国家同士、協力していきたいとした。
矢内氏は会見の最後に、アメリカ・日本を中心とした、神を信じ、自由と民主主義といった人間にとって大切な価値観を重視する国と、中国や北朝鮮など、神を信じず、人権をないがしろにする国との対立軸が世界に広がっていると指摘。幸福実現党が宗教政党であることについて触れながら、「信仰を中軸にしながら、自由と民主主義といった価値観が世界を幸福にするという信念を持ち、国作りをしていきたい」と、今後の抱負を述べた。
質疑応答で、同党の今後の戦略について質問された矢内氏は、「支持者は確実に増えている。今回の参院選で、まずは議席を獲得したい」と表明。今後の安倍政権の行方をどう見るか、という質問に対して、「自民党と連立を組む公明党は憲法改正に反対であり、政策がずれている。公明党と連立を組む限り、安倍政権はやりたいことをやれないだろう。自公連立ではなく、『幸自連立』を実現したい」と回答した。
アベノミクスなど、自民党の政策は実際には幸福実現党の政策に裏打ちされたものである。幸福実現党が政治の表舞台にいつ現れるのか、海外からも注目が集まっている。 (晴)
【関連動画】
Ustream 幸福実現党チャンネル 2013年7月18日記者会見の様子
http://www.ustream.tv/recorded/35999997
幸福実現党 やない筆勝党首のバーチャル本音対決【動画】
http://youtu.be/wEl01h3PIMU
憲法96条の改正には思わぬ懸念あり
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6353
安倍晋三首相は15日放送のテレビ番組で、今回の参院選で初めて「憲法9条改正」に言及した。参院選の自民党公約で触れていなかった9条改正を主張し出したのには、自民党優位との報を受けて安心したからだろうとの見方が出ている。
9条改正に関して、安倍首相はもともと、憲法改正要件を定める96条を先に改正することを目指していた。現在の96条にあるような、「衆参両院で総議員の3分の2以上の賛成票を獲得後、国民投票で2分の1以上の賛成票を獲得」という条件では、9条改正にたどりつけないという考えからだろう。
日本国憲法は制定以来の70年間で一度も改正を経験してこなかった。そのため、現在の96条の下での9条改正は難しいと考えるのは理解できる。
だが、改正要件に同じく「両議院の3分の2以上」という条件を課しているドイツや韓国では、何度も憲法が改正されてきた。必ずしも、改正要件を緩めなければいけないわけではないようだ。
また、96条を改正した場合、危惧される点がある。
大川隆法・幸福の科学総裁は『政治革命家・大川隆法』(幸福の科学出版刊)で、安倍首相が憲法改正に取り組むこと自体は評価しつつも、96条改正について、首相が交替した場合に懸念があるとした。
「憲法改正ができるような体制だけをつくっても、ほかの人に、それを利用された場合、実は、すごいことが起きる可能性があるわけです」
「『安倍さんが思っているのとは全然違う方向で、憲法改正が進んでいく』ということも、ないとは言えません」
憲法改正要件を不用意に緩めることで、首相が交替するごとに憲法が書き替えられてしまう危険性があるのだ。
安倍首相が9条を改正したければ、自身の退陣後のことも考えて、現在の条件下でも改正できるよう、まず国民を説得するべきではないか。(居)
【関連記事】
参院選 各党政策比較
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6267
【動画】幸福実現党の父・大川隆法総裁にインタビュー
「政治革命家・大川隆法―幸福実現党の父」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6302
【関連書籍】
幸福の科学出版 『政治革命家 大川隆法』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=982
アマゾンの同書紹介ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/4863953593/