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日々の恐怖 8月21日 輸入雑貨の卸業(3)

2022-08-21 11:26:31 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月21日 輸入雑貨の卸業(3)





 10時頃まで飲んで、そのとき根城にしてたビジネスホテルに戻りました。
安ホテルですが、これは有名な大ホテルであっても、従業員が悪いやつと結託している場合もあるので、危険の度合いはそう変わりません。
 Sさんは貧乏旅行者を装って、あらゆることを値切ったりして、悪いやつにマークされないようにしてたんです。
それと、2日か3日かでホテルも変えていました。
 さらにベッドの下には知人宅に預けてあった、その国では非常に珍しい(野球をやる人は超希少)ケース入りの金属バットを転がしておきまして、何かあったらそれでぶん殴ろうというわけです。
 鍵をかけた上に、ドアの前に旅行バックを置いて、12時過ぎに寝たんですが、夜中に目が覚めて、そしたら体が動かなかったそうです。
最初に考えたのは、縛りあげられたとか、クスリを飲まされたってことですが、そのわりには体は痛くない。
 薄目が開いて、電気はつけっぱなしにしてたので自分の体が見えましたが、おかしな様子はない。
それで、

” これは金縛りというやつか・・・?”

と初めて考えがいきました。
 それまで経験したことはなかったそうです。
とにかく指先に少しずつ力を入れて、なんとか脱出しようとしていると、足元のほうのクローゼットの中がカタカタいい始めました。
 それでも、

「 幽霊だったら怖くはない。
何にもできねえからな。」

と言ってました。
むしろ、隣の部屋とかから穴を開けて侵入されることを怖れてたそうです。
ま、そのくらいでないと東南アジアを渡り歩くのはできません。










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