大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月13日 40男の夏(2)

2024-09-13 11:25:14 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月13日 40男の夏(2)





 そして月日は流れ、俺がまだ鼻たれ坊主で、ファミコンが出るちょっと前の夏休みのことだった。
当事小4だった俺は、友達3人と一緒に朝から山へクワガタを取りに行った。
その辺りの山は一族(と言っても、親父を含めその兄弟)で所有している山だ。
だから普段からよく遊んでいた。
迷った事は一度もなく、その日も奥へ奥へと進んで行った。
 最初のうちは四人仲良く虫を捕っていたが、やはり虫の大きさで争いが起こり、

「 自分だけででっかいの捕ってやる!」

となり、それぞれがバラバラに虫捕りを始めた。
木を蹴飛ばしたり、登ってみたり、根元を掘り返してみたり、夢中になって虫を探していた。
 太陽も真上になり、お腹も減ったしそろそろ一度戻ろうかと辺りを見回すが、自分が何処にいるのか分からない。
まあ、小さい山だし、下って行けばそのうち知ってる場所に出るだろうと、斜面を下って行った。
 が、日が傾きかけても一向に下山できず、歩き疲れるわ腹は減るわで、歩くのを止めその場で泣き出した。
すると、突然目の前に男の子が現れた。
 本当に突然、パッと現れた。
それに驚きながらも、人が居たことに安心した。
見た感じも自分よりも少し大きいくらい。

「 なんだ、迷子になったのか・・・。」

短くそう言うと、その男の子は俺の手を引いて歩き出した。
手を引かれながらお互い自己紹介をし、話をしながら少し歩くと見覚えのある道に出た。

「 ここまで来れば分かるな?」

その言葉に頷き、ありがとうと言うと、

「 ○○(祖母の名前)によろしく。」

と、男の子はまた山に戻って行った。

” 何でまた山に・・・?”

と不思議に思いつつ、暗くなっていく中で家に帰った。
 家に帰り、実家の隣に住んでた祖母に今日あったことを話した。
すると、最初に書いた内容を俺に話してくれた。
そして次の日、祖母に連れられ墓参りに行った。









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日々の恐怖 9月1日 40男の夏(1)

2024-09-01 16:58:53 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月1日 40男の夏(1)




 40男の夏は妙に熱い。
もう100年は前のことだ。
父方の祖母には2歳離れた兄(俺の大伯父)がいた。
その大伯父が山一つ越えた集落にいる親戚の家に、両親に頼まれ届け物をしに行った。
山一つと言っても、子供の脚で朝一に出発すれば夜には帰って来られる位くらいの距離だ。
歩き馴れた山道で、大伯父はいつも朝一に出て、夕方ちょっと過ぎには帰って来ていた。
 しかしその日は、夜を過ぎても大伯父は戻らなかった。
向こうの親戚の家に厄介になっているのだろうと、両親はあまり心配もしていなかったが、
2日経ち3日経ったところで、そろそろ畑仕事も手伝ってもらいたいからと、親戚の家に大伯父を迎えに行った。
 が、大伯父は親戚の家に居なかった。
居ないどころか、来てもいなかった。
慌てた両親は、自分の村と親戚の集落の人に頼んで、両方から山狩りをした。
しかし、大伯父は発見されず、行方不明として処理をされた。
祖母10歳、大伯父12歳の夏だった。







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