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日々の恐怖 3月4日 ガキの頃の話 (9)

2025-03-04 12:18:51 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 3月4日 ガキの頃の話 (9)





 MはSに連れられて空き家に入ったが何にもなかった。
ええもんどころか、湿気た匂いと汚い家具、外人の少女が書かれた絵が壁に掛け
られているくらいの何てことない空き家だった。

「 何もないやん!」

と呆れるMに対して、

「 こっち、来てみ!」

と、Sはさらに奥の部屋へとMを引っ張った。
 そこでMはギョッとした。
部屋の中だと言うのに、床に砂利が敷かれていた。

「 何ここ?気持ち悪い・・・。」

と言うMに対してSは、

「 宝石や!」

と言いだした。

「 宝石・・・・?」

頭をかしげるMの両手を器の形にさせると、Sは床の砂利をつかみMの手の中へ、

「 宝石や。」

と流し込んだ。
 またいつもの悪ふざけと思ったMは、

「 あほが!
こんなとこまで連れてきやがって!」

と砂利を投げ捨てた。
その途端にSは、

「 何するんや!」

と急に形相をかえMの投げた砂利を広い集めてポケットへしまい込んだ。
Mが投げた砂利だけで足らず、そこら一面床に転がった砂利を、

「 宝石!宝石!」

と取り憑かれたようにポケットにパンパンに入れ始めたとこで、Mは怖くなって
Sを置いて逃げ帰った。






 
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