一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

コロッケ雑感

2007-07-02 | あきなひ
コロッケの不当表示に端を発したミートホープ社の話題が続いてますが、そういえばコロッケって家で作ったことがないですね。

考えてみれば僕の子供の頃も肉屋さんの店頭で売っているのを買ってきてました(新聞紙にくるんでくれるやつですね。)。

実際作るとなるとジャガイモを茹でて、ひき肉を炒めて、混ぜ合わせて衣をつけてとけっこう手間がかかるんですよね(レシピはこちら)。
子供にはトンカツのほうが手間の割には評価が高いかたりするので、自然家で作らなくなってしまうのかもしれません。
メンチカツなんかもそうですね。


加工したものを買う消費者は加工の過程を信用せざるを得ないので、今回のような不正をされてもわからないわけで、そこでズルをしたことで業界自体の信用も損ねた、と非難を浴びているわけですが、「自分でやるのは手間なので他人に任せているが中身はチェックできない」というのは食品以外でもいろいろあります。


たとえば投資信託などは銘柄選定が適切に行われているかは結局パフォーマンスでしか評価できないわけで、「混ぜた方が美味しい」というのと同じですよね。
昔MMFにマイカル社債を組み込んで元本割れを起こしたなんてのもありましたっけ。
最近ではダヴィンチ社が自分の物件をJ-REITに高値で買わせたんじゃないか、なんてものありました(これは「高級和牛」とかいって直営農場の肉を高く卸すようなものでしょうか)。


本題のコロッケに戻します。

考えてみれば、今回のミートホープ社の事件は「牛肉コロッケ」と名乗らなければ何の問題もなかったわけです。

僕自身はコロッケは牛肉100%の方が各段に美味しいとも思わないので、この名称には「牛肉」の高級感にあやかろう、というメーカーや小売店側の思惑が感じられます。
その一方で価格競争が厳しくなっている中で原価の高い牛肉を使いながら価格を下げるというプレッシャーもメーカーにはかかってきたのだと思います。

このときたとえば「牛肉コロッケ」と呼ばずに「神戸コロッケ」のように「なんとなく高級そう」な名前をつけて売っていれば、豚肉を使おうが文句を言われなかったわけです。

そういう知恵を働かせずに「うそをつく」という安直な策に走ったことは非難されてしかるべきです。
ただ、マーケティング的には「うそをつかずに原材料に関心を持たせないようにする」という手法もあり、われわれ消費者はけっこうそれは喜んで受け入れていたりもします。


件の神戸コロッケですが、サラダ惣菜の"R 1/F"で有名なロックフィールドの系列です。
サイトを見ると、別にコロッケ自体が神戸発祥なのではなく、ロックフィールドが一番店を神戸に作ったから、という理由のようです。
「築地○○寿司」という中にも本社事務所が築地にあるだけ、とか、「メガネのパリー三城」のように最初からパリに店などなかったというものもあり、こういうのは良くある手法なんでしょう。
また、製品紹介でもじゃがいもへのこだわりはたくさん書いているものの、肉については言及がなく、そもそも何肉を使っているかにさえ触れていません。

それでも「神戸コロッケ」はよく売れているようで。


ミートホープ社はそのほかの肉でも組織的な偽装を行っていたようなので同情の余地はありませんが、問題が「牛肉コロッケ」だけだとしたら、原価が高い(そして多分コストも厳しい)仕事を受ける前に「混ぜたほうが美味しい」というノウハウを生かして別の商品の提案をするという解決策もあったように思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする