一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

大学の問題

2007-07-04 | よしなしごと
昨日の話は「理系」に限ったことではなく、(基礎)研究一般に言えることですし、IT業界では「文系」「理系」という出身学部による区別というのもあまりなくなってきているような感じもしますが、「共通一次試験」(死語!)の世代としてはふと出てしまいます。ちょい反省。


さて、ひき続き大学の話。

国立大学が独立行政法人になり、今までの予算を消化するという「お小遣い帳経営」からの脱却を図っているようですが、まだまだ苦労しているようです。

どこの大学も教授会による運営というスタイルなので、経営に専門に従事する人がおらず、管理職役の教授の担当もすぐに変わるので今までのタコツボに慣れた職員の意識や仕事の方法を変えるには至らず(そりゃ誰も無駄に嫌われたくはないですから)ということで、なかなか改善が進まないとか。


この辺の効率の悪さは寄付集めにも現れているそうです。
東大は今年創立130周年記念事業を予定していますが、来年150周年を迎える(グッドウィル・グループの折口会長から5000万円の寄付をもらって話題を集めている)慶応大学に比べて寄付の集まりがとても悪いそうです。
そもそも東大は学校自体にOBなどに寄付を募るという習慣がなく、そのためいままでOBの組織化に不熱心で、卒業生30万人の現職と住所を多分ほとんど捕捉できている慶応大学に対し東大は卒業生20万人のうち把握しているのは2万人弱だとか(未確認の話)。

この辺はほうっておいても資金に困らなかった官学と、努力を継続してきた私学の地力差が如実に出るところですね。


最後にこぼれ話。

東大では2006年に理学部1号館が新しく「小柴ホール」を含む高層ビルに建て直されました。
ところがこの建物、東大のシンボルである安田講堂の真後ろにあって、景観を壊すと非難されているそうです。

こんな感じ


(まあ、安田講堂が象徴、というのも東大紛争を覚えている古い世代の発想なのかもしれませんがw)

理学部側の言い分では、他の敷地があればそちらに立ててもいいと言っていたのに、どの学部も敷地を提供しなかったので仕方がなかったから仕方なくだったとか・・・

歴史があり資金も潤沢そうな東大ですらこうですから、旧国立大学が「独立」するにはまだまだ先は遠そうです。


PS
もっとも私立大学でも歴史の古い学校は「○○部のグラウンド」などと体育会ごとに帰属がはっきりしていて、OB会の了解がないと移転や処分はできない、というところは結構あるようですし、歴史の古い大学は内部留保が相当たまっているので、けっこう不合理な使い方をしているところもあるそうなので、一律に旧国立大学だけがダメ、というわけでもないようですが・・・
コメント (2)
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