一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『この道は母へとつづく 』

2009-06-06 | キネマ
邦題は昭和風のタイトルですが、ロシアの映画で原題は「ITALIANETZ」、多分「イタリア人」という意味だと思います。

ロシアの孤児院にいるワーニャは孤児院に養子を探しに訪れたイタリア人夫婦に気に入られてイタリアに行くことになったのですが(それで孤児仲間に「イタリア人」とあだ名をつけられる)、ふとしたことから自分の経歴を記したファイルを手に入れて実の母親を探しに孤児院を脱走する・・・という話です。
(その意味ではどちらのタイトルも内容を反映してはいます。)

登場する人物がすべて、いい人も悪い人も人間としての欲望・感情に忠実で、それぞれの背景事情が感情や行動に直接反映して「自分むき出し」のあたりが、ロシア文学っぽいというかドストエフスキー的です。
ハリウッド映画だと善悪がはっきりしてたり結局悪い人はいない風ですし、ヨーロッパだと監督の人間観で一ひねりしているのが多いのですが。


とにかく主人公の子役が上手です。
そして立派にぐれながら妙な自治状態にある孤児院の年長の子供たちや、周りをとりまく(大概がろくでなしの)大人たちも生き生きと描かれています。


そして結末もロシア文学的です。
お涙頂戴でも、斜に構えてもいないだけに胸に響きます。



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