汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 森の番人

2010年07月05日 | 初期中期の詩
森の中を進む
当てもない言葉の連鎖が、ここまで私を追い込んだ
千切れそうな川のせせらぎを見つめて
今にも割れそうな雲の行く末を按じて(あんじて)
足取りは重く繋がれた鎖を引連れている様な心地に束縛される

広葉樹の幹にキツツキが止まる
探し物を探して、自分自身が暗闇と対峙する勇気も持たず
ただひたすら虫を探し続ける日々
彼の瞳には巨大な蜘蛛の巣が映っている
そこには幾万もの希望の死骸が、静寂の中で泣いていた

森の中を進む
当てもない歓びを探す旅は、雨に濡れたハンカチのように冷たく
凍りついた路面のように固い
旅人は空を見つめる
広葉樹から覗き見えるものは、この世界の楽園である
そして光は彼の心を焼き切るであろう
森が支配する、夜の中に木霊する獣の叫びも
水の流れる音に困惑した虫達の動揺も
全ては森が生存するための、様式に過ぎないという事

梢は、揺れる事によって旅人の視界を遮るだろう
新たな死人を土の養分にするために
そこから誕生する、新たな命に賛美を与えるために
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