汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 月光

2010年07月12日 | 初期中期の詩
星の流れが急に早くなる
夜空は、雪の冷たさを包括している
今にも崩れ落ちそうな月が、涙を流して
湖畔を訪れる亡者に慈しみを与える

樫の木が恨みに震えている
心地良さを感じることさえも億劫になって
切り刻んだ手首に滴る血の仄かな安らぎを見つめている

薬指に光る指輪を愛撫して
罪に対する意識を浄化させる
静寂がこの世を支配する時が訪れる時
少女は右手に持っていたナイフを静かに胎へと忍ばせる

胎児が微笑みを見せるのは
飾られた世界の幻想を、母親に知らせるため
雷がその猛威を静める時
彼女の心は、血に飢えた心臓と共に、業火に焼かれる
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