汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 連帯感

2011年05月08日 | 初期中期の詩
振動する空気に揺られ 息を殺している
宛てもない手紙を出すあなたの眼が 暗闇に照らされている
なぜここまであなたは言葉を探しているのだろう
見つからない宝を探し回る事が美徳とされている今
錆び付いたブランコには幼児を乗せた痕跡が残っている

跡形もなく ただ悠然と空を眺めていた
何も欲しくはないと あなたは夕日めがけて声を涸らした
冷めて行く景色を眺めながら あなたはいつも膝を抱えていた
従属する事が悲しくて 邪な感情に縋り付く
あなたは今でも夢を見ていた 熱くなる大気
上昇する太陽の光の中に 明日への希望を燃やしている

潰えた光の波は 屍の上に降り注ぐ
犠牲にされて行く人々は異口同音に 定めに汚された事を恥じらう
暁の空に現れた飛行機が 闇に彷徨う人に手を差し出す
昔の事は忘れたよ 何もかもが空しいというのなら
その手に滴る血を飲み干せばいい
赤い約束が果たす明日は決して暗くはない
何者かに追われる様に 雑然とした音の塊の中を行く勇気
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みやすけの詩 自然と自由

2011年05月08日 | 初期中期の詩
争いの後に あなたの眼は渇いて割れた
枯渇している愛情 思い入れのある小箱を
健気に差し出すあなたの感情は
起こる筈の無い奇跡に溢れている

白い空には一体幾つの哀しみが宿っているのだろう
身体を引き寄せて温め合った冬の寒さは
より一層と小さな孤独の中へと誘うから

その道の向こうには あなたが云った未来が
灯っては消える そこには水の流れのように純粋な
何ものを溶かしこんでいる

燃える命が やがて尽き果てるとき
あなたが描いた夢の痕は 木漏れ日のように
清々しい湿度を与え 慰めを云うあなたが
一瞬遠い眼をしながら 変わらない世界の流れの中で
ふと死の情動かられるのを目の当たりにしている

何が此処まで自由を束縛するのか
自由が無いから不自由になるのか
自由を求めるから不自由になるのか
相反する言葉はやがて自由を超えた悠久を映し出して行くのだろう
洞穴に消えた仙人は 口々に明日の暗闇について語っている
夜に訪れる妖怪は 彼らを見て嘲笑(あざわら)うように消えた
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