汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 アナタノオト

2010年07月14日 | 初期中期の詩
あなたの鼓動を感じる事
切ない音の狭間で揺れる私情の儚い混乱よ
風は あなたとの未知の煌めきに映る歓びの静寂
耳を澄ませば世界はやがて花を開かせるだろう
砂粒を救い上げては また零した昨日の小波よ

空けた心は抑揚していく大空の果てで 愛を育むだろう
春風に吹かれて吸い寄せられる命に愛撫される心地
あなたの存在全てに付随している混迷さえも
タンポポの綿毛の中で新芽に変わる

ギターを爪弾くように
その音色に踊る心は あなたとの戯れに築かれる絆
その心臓の高鳴りが 孤独を地平へと沈ませるだろう
あなたの笑顔が 安らぎの眠りへと落ちていく時
私を取り巻く空間は 永遠の愛の滴を滴らせながら
その雨は 次なる生命の息吹を吹かせるだろう


煌めき→きらめき
静寂→しじま
零した→こぼした
抑揚→よくよう


ドクンドクンドクン…
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みやすけの詩 世

2010年07月13日 | 初期中期の詩
途切れた集中力
強張り 悴む掌に 衰え行く頭の憔悴
それは 息も途切れ途切れに 沈黙へと墜落していく

空を見上げた昂揚感に揺れる 意識と血潮
手に持つモノが流線型を描いて崩壊していく
炎に揺られ踊るように苦しむ女の怨念は
日ごろ目にしている日常と木霊している

見境も無く声を張り上げる者は
見えぬ孤独の乱流に取り巻かれている

雪がちらつくようになってから
街は閑散とした秩序に落ちついている
路肩に倒れている人を見捨てて
成長していく悪魔の子供達は
次なる生き血の通った 獲物の吐息を狙っている


憔悴→しょうすい

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みやすけの詩 月光

2010年07月12日 | 初期中期の詩
星の流れが急に早くなる
夜空は、雪の冷たさを包括している
今にも崩れ落ちそうな月が、涙を流して
湖畔を訪れる亡者に慈しみを与える

樫の木が恨みに震えている
心地良さを感じることさえも億劫になって
切り刻んだ手首に滴る血の仄かな安らぎを見つめている

薬指に光る指輪を愛撫して
罪に対する意識を浄化させる
静寂がこの世を支配する時が訪れる時
少女は右手に持っていたナイフを静かに胎へと忍ばせる

胎児が微笑みを見せるのは
飾られた世界の幻想を、母親に知らせるため
雷がその猛威を静める時
彼女の心は、血に飢えた心臓と共に、業火に焼かれる
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みやすけの詩 女

2010年07月11日 | 初期中期の詩
自己を見つめる恐怖が極限に達した時
その女は罪の浅はかさを知る

彼女の容貌に刻まれた薔薇の花は
その香りで女の息の根を止めるだろう
その時締め付けられる蔦の軽やかさ
全てを孤独へと誘うそれらの猛威に
女は身をよじる事しか出来ないでいる

月明かりが妖艶と、この楽園を照らし出すのなら
長い爪に滴る血の甘い誘惑に
心は空けたように、軽やかな音楽を奏でる

憔悴した心が、女の魂を呑み込む時
体中から発せられる体液の温度が
この闇の中で夢想の煌めきに変わる
その星屑に希望を見出そうとする女の倦怠は
氷のように冷たい男の視線によって、更に重複される


容貌→ようぼう
蔦→つた
妖艶→ようえん
煌めき→きらめき
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みやすけの詩 世界

2010年07月09日 | 初期中期の詩
お前の瞳には何も映らない
この世が終焉に立ち帰る時でも、お前の両手には
おびただしい程の人の亡骸が、その幻想の中で蠢いているのだ
お前は、その光景に悲鳴を上げるだろう
正気を失った狂人の様な目つきで世間を見つめるお前にとって
この幻視は絶えらざる孤独を、その脳髄に埋め込むのだ

蒸気機関が、電力を生み出す様に
その苦渋を舐める様な迸り出る力で、神を殺せ
お前の言語はただ支離滅裂で、世界を形成していない
神は、お前の心を容赦なく引き裂いて
その体液をすするだろう
その香ばしい味のする、お前の体液を飲み干すと
神は、お前の亡骸をこの大空へと投げ出してしまう
その時、太陽は、お前の何もかもを焼き焦がし
永遠の航路の中に乱した幻想の果てへと
お前自身を誘うだろう


蠢いて→うごめいて
迸り→ほとばしり
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みやすけの詩 砂漠

2010年07月08日 | 初期中期の詩
神の声が聞こえてくると、私の口は次第に血を求めて
この広大な砂漠の中で獣の狩りを行う
跳ね上がる砂の粒子と裏腹に、今にも消えそうな
眼差しをした少女の瞳が、平和を訴えようとしている
風はこの砂漠の大気を循環させる

穴倉に転げ落ちたカエルのように
身体を縛られた月が、自由を求めてもがいている
私は魂に降りかかる悪徳を信じ込み
その剣で次々に人間の首を跳ね飛ばした

楽園を求めて血飛沫が飛び散る
砂漠は容赦なく私を窮地へと追い込む
頭蓋骨にひびが入ったままの人形は、今もその微笑みを崩す事なない
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みやすけの詩 夏休み

2010年07月07日 | 初期中期の詩
出口のない闇の中を彷徨うように
夏の日差しに照らされて、酒を飲み交わす
道路に込み上げている熱気にうなされた昆虫は
逃げ場を失い、永遠の焔に焼かれている
グラスが音を立てて祝杯を上げる
感極まる魚の涙は、食卓を彩る皿の中で音楽を奏でる

蝉時雨に打たれ、鼓動が速まる
空気中に溢れる湿気は、身体の線に沿って流れて行き
海原を目指して躍進する
汗腺が唸りを上げて木霊する
体温は尚も上昇を続け、視界は砂を張った絵画のように
その真理を見つめる事が出来ない

ノートに描かれたスケッチを見つめて
遠い記憶の旅を続けている
子供の夢は大気を駆け抜ける
成層圏を越えた者はまだ一人も存在しない
その先に拡がっている宇宙の声を聴く事が
この試練に立ち向かう為の義務なのに
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みやすけの詩 涙

2010年07月06日 | 初期中期の詩
真実が幻想なのか 幻想が真実なのか
途は果てしなく続いて行く
希望はとっくの昔に潰えてしまった
幽かな温かみ 所狭しと並べられた骨の淋しさ
欲望がここまで人々を堕落させた
静寂は今でも 虚構の中で明日を見つめている
金色に染まる陽の光は 唄を奏でている
世間の白々しさに 流した涙の意味を探って
綻んだ赤い糸は 夕日になびく雲の姿
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みやすけの詩 森の番人

2010年07月05日 | 初期中期の詩
森の中を進む
当てもない言葉の連鎖が、ここまで私を追い込んだ
千切れそうな川のせせらぎを見つめて
今にも割れそうな雲の行く末を按じて(あんじて)
足取りは重く繋がれた鎖を引連れている様な心地に束縛される

広葉樹の幹にキツツキが止まる
探し物を探して、自分自身が暗闇と対峙する勇気も持たず
ただひたすら虫を探し続ける日々
彼の瞳には巨大な蜘蛛の巣が映っている
そこには幾万もの希望の死骸が、静寂の中で泣いていた

森の中を進む
当てもない歓びを探す旅は、雨に濡れたハンカチのように冷たく
凍りついた路面のように固い
旅人は空を見つめる
広葉樹から覗き見えるものは、この世界の楽園である
そして光は彼の心を焼き切るであろう
森が支配する、夜の中に木霊する獣の叫びも
水の流れる音に困惑した虫達の動揺も
全ては森が生存するための、様式に過ぎないという事

梢は、揺れる事によって旅人の視界を遮るだろう
新たな死人を土の養分にするために
そこから誕生する、新たな命に賛美を与えるために
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みやすけの詩 途

2010年07月04日 | 初期中期の詩
この手の中で震えるものは何
縮れた髪を振り払い、泣き声を空へと向ける君は誰
宇宙のたもとは運命の渚
鈴の音が聞こえる、この祝福を覚えておいてほしい

真珠はその穢れの中で培養される旋律
二人が惹かれ合う理由も、明日を想う風の感触を覚えているから
血迷いながら、安らぎを求めた、過去の涙が
現実に浮遊する塵の様な軽い黄昏を思い出している

梢が揺れているのが見える
光が途を照らしながら、手招きをする
空気中に潤いを与える歓びの雨よ
地表に咲いている花は、絶えず接吻を求めている
麗しい花嫁の姿に見惚れている男の溜息は
この地上に虹の曲線を現せる
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