東京大学植村教授らは、名古屋大学・滋賀大学の研究グループと協力し、分子で作ったナノサイズの空間を利用することで、高分子化合物のほんのわずかな構造の違いを識別し、高効率で分離できる手法を開発した(9月7日発表)。
分子レベルの細孔を有する多孔性金属錯体(MOF)を用い、その細孔内に高分子を取り込む挙動が末端基の違いにより異なることを発見した。構造の違いがほとんどない高分子混合物でも高純度に分離できる。この手法は、プラスチックを始めとした多くの高分子材料・油・機能性巨大分子などの分離に適用できる。
多孔性金属錯体(MOF)は、金属イオンとそれをつなぐ有機物からなり、規則的なナノサイズの空間がある。
細孔のサイズが直径0.57ナノメートル(nm)のMOFを吸着剤として、液体状態にしたPEG細孔内に導入されるかどうかを調べた。未修飾(末端基はOH)のPEGは細孔内に効率よく取り込まれるのに対し、末端をトリチル基(サイズ=0.72nm)で修飾したPEGは全く吸着されないことが分かってきた。モノマーの繰り返しが数百個以上もある巨大なPEGを用いても同じ結果が得られ、修飾・未修飾PEGの混合物から欲しいPEGを99%以上の純度で分離できることを実験的に明らかにした。
これより、名古屋大長岡正隆教授・滋賀大高柳昌芳助教と協力して、分子動力学法によるシミュレーションを行うと、2つのPEGの吸着挙動の違いが再現された。これから、高分子中のわずか数百分の1の違いであっても、MOFによるPEGの精密分離が可能であることが示された。
今回の研究で、末端基の構造がよく似ている系(ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)でも、MOFを用いるとその違いを確実に識別できることが分かった。動的で柔軟な細孔を有するMOFを利用することで、従来はあり得なかった高性能分離も可能にした。これらから、MOFの空間を合目的に設計すれば、さまざまな末端官能基化PEGを高効率に分離、提供できることが示された。
高分子化合物の高分子全体における末端基の影響は極めて小さく、末端基のみが異なる混合物の分離は非常に困難であった。さまざまな機能性分子材料を高純度で安価に提供できれば、化学・高分子産業や医療材料開発への大きな波及が期待される。
◆モノマー
高分子の構成単位に相当する分子。モノマーが多数結合することで高分子になる。
◆多孔性金属錯体(MOF)
金属イオンと有機化合物とが結合することで構成され、無数の規則的な細孔を骨格中に有する物質群。吸着材や触媒などへの応用が幅広く検討されている。
◆ポリエチレングリコール(PEG)
酸化エチレンが繰り返しつながった高分子化合物。体に無害で水によく溶ける性質を持つことから、さまざまなヘルスケア製品にも配合されている。
◆分子動力学法
原子や分子の運動をコンピューターによりシミュレーションする手法の一つ。
◆クロマトグラフィー
化合物を精製する手法の一つ。筒状容器に充填剤を詰め、混合物の溶液を流すことで、充填剤との親和性や分子の大きさの違いを利用して分離する。
朝から晴れ渡った。
土手に”ヒガンバナ(彼岸花)”が咲きだした。地際から立つ茎の緑色と花の赤色が対比的でとても綺麗だ。この時期には葉がない、ヒガンバナ科の特徴だ。花が咲く頃は葉がなく、葉があるときは花がなく、花と葉が一緒の時期がない。故に”ヒガンバナ(彼岸花)”は葉見ず花見ず(はみずはなみず)とも呼ばれる。
ヒガンバナ属には約30程の品種がある。日本に野生するのは、ヒガンバナ(朱色花)・ショウキズイセン(黄色花)・シロバナマンジュシャゲ(白色花)・アケボノショウキラン(黄橙色花)・ナツズイセン(桃色花)・オオキツネノカミソリ(橙色花)・キツネノカミソリ(橙色花)である。
ヒガンバナ(彼岸花)
別名:曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
異名が多い、死人花(しびとばな)・地獄花(じごくばな)・捨子花(すてごばな)などと不吉さを表すものもある
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
多年草(球根性植物)
日本の固有種でなく、中国から伝来した史前帰化植物と考えられている
開花時期は、9月(お彼岸の頃)
花茎の成長はとても早く、花も数日で終わる
分子レベルの細孔を有する多孔性金属錯体(MOF)を用い、その細孔内に高分子を取り込む挙動が末端基の違いにより異なることを発見した。構造の違いがほとんどない高分子混合物でも高純度に分離できる。この手法は、プラスチックを始めとした多くの高分子材料・油・機能性巨大分子などの分離に適用できる。
多孔性金属錯体(MOF)は、金属イオンとそれをつなぐ有機物からなり、規則的なナノサイズの空間がある。
細孔のサイズが直径0.57ナノメートル(nm)のMOFを吸着剤として、液体状態にしたPEG細孔内に導入されるかどうかを調べた。未修飾(末端基はOH)のPEGは細孔内に効率よく取り込まれるのに対し、末端をトリチル基(サイズ=0.72nm)で修飾したPEGは全く吸着されないことが分かってきた。モノマーの繰り返しが数百個以上もある巨大なPEGを用いても同じ結果が得られ、修飾・未修飾PEGの混合物から欲しいPEGを99%以上の純度で分離できることを実験的に明らかにした。
これより、名古屋大長岡正隆教授・滋賀大高柳昌芳助教と協力して、分子動力学法によるシミュレーションを行うと、2つのPEGの吸着挙動の違いが再現された。これから、高分子中のわずか数百分の1の違いであっても、MOFによるPEGの精密分離が可能であることが示された。
今回の研究で、末端基の構造がよく似ている系(ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)でも、MOFを用いるとその違いを確実に識別できることが分かった。動的で柔軟な細孔を有するMOFを利用することで、従来はあり得なかった高性能分離も可能にした。これらから、MOFの空間を合目的に設計すれば、さまざまな末端官能基化PEGを高効率に分離、提供できることが示された。
高分子化合物の高分子全体における末端基の影響は極めて小さく、末端基のみが異なる混合物の分離は非常に困難であった。さまざまな機能性分子材料を高純度で安価に提供できれば、化学・高分子産業や医療材料開発への大きな波及が期待される。
◆モノマー
高分子の構成単位に相当する分子。モノマーが多数結合することで高分子になる。
◆多孔性金属錯体(MOF)
金属イオンと有機化合物とが結合することで構成され、無数の規則的な細孔を骨格中に有する物質群。吸着材や触媒などへの応用が幅広く検討されている。
◆ポリエチレングリコール(PEG)
酸化エチレンが繰り返しつながった高分子化合物。体に無害で水によく溶ける性質を持つことから、さまざまなヘルスケア製品にも配合されている。
◆分子動力学法
原子や分子の運動をコンピューターによりシミュレーションする手法の一つ。
◆クロマトグラフィー
化合物を精製する手法の一つ。筒状容器に充填剤を詰め、混合物の溶液を流すことで、充填剤との親和性や分子の大きさの違いを利用して分離する。
朝から晴れ渡った。
土手に”ヒガンバナ(彼岸花)”が咲きだした。地際から立つ茎の緑色と花の赤色が対比的でとても綺麗だ。この時期には葉がない、ヒガンバナ科の特徴だ。花が咲く頃は葉がなく、葉があるときは花がなく、花と葉が一緒の時期がない。故に”ヒガンバナ(彼岸花)”は葉見ず花見ず(はみずはなみず)とも呼ばれる。
ヒガンバナ属には約30程の品種がある。日本に野生するのは、ヒガンバナ(朱色花)・ショウキズイセン(黄色花)・シロバナマンジュシャゲ(白色花)・アケボノショウキラン(黄橙色花)・ナツズイセン(桃色花)・オオキツネノカミソリ(橙色花)・キツネノカミソリ(橙色花)である。
ヒガンバナ(彼岸花)
別名:曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
異名が多い、死人花(しびとばな)・地獄花(じごくばな)・捨子花(すてごばな)などと不吉さを表すものもある
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
多年草(球根性植物)
日本の固有種でなく、中国から伝来した史前帰化植物と考えられている
開花時期は、9月(お彼岸の頃)
花茎の成長はとても早く、花も数日で終わる