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高レベル放射性廃棄物からジルコニウムを効率良く回収する技術を開発

2018-11-27 | 科学・技術
 株式会社日立製作所は、原子力発電所の使用済原子燃料を再処理する際に発生する高レベル放射性廃棄物の中から、資源として有用なジルコニウム(Zr)を90%以上の効率で回収する技術を開発した(9月3日発表)。
 ◆ジルコニウム(ラテン語: zirconium、元素記号:Zr)
 ジルコニウムは原子番号40の元素。チタン族元素の1つ、遷移金属でもある。比重は6.5、融点は1852 ℃。銀白色の金属で、常温で酸、アルカリに対して安定。耐食性があり、空気中では酸化被膜ができ内部が侵されにくくなる。
 原子力発電所の使用済原子燃料を再処理した際に発生する高レベル廃液中には、長寿命核分裂生成物(LLFP):パラジウム、セレン、セシウムなど半減期が数十万年以上もある元素が存在する。
 〇1、高レベル廃液中のジルコニウムを高効率で沈殿させる技術
 高レベル廃液にジルコニウムとモリブデンが共存すると、モリブデン酸ジルコニウムという不溶解性の沈殿物を生成する。今回、廃液中のジルコニウムの元素濃度に対して濃度が3倍以上となるようモリブデンを添加することで沈殿物の生成が促進されることを明らかにした。添加するモリブデンの量を最適化することで、廃液中の95%以上のジルコニウムを沈殿させることが可能となった。
 〇2、ジルコニウムを含む沈殿物からジルコニウムを回収する技術
 使用済原子燃料の再処理技術(フッ化物揮発法)をジルコニウムとモリブデンの分離に応用した。ジルコニウムを含む沈殿物をフッ素ガスと反応させることで、ジルコニウムとモリブデンのフッ化物を生成する。モリブデンフッ化物はジルコニウムフッ化物より沸点が低いため、150℃程度に加熱するとモリブデンフッ化物のみが揮発してジルコニウムフッ化物から分離できる。モリブデンを分離したジルコニウムフッ化物に還元処理を施すことで、ジルコニウムを回収する。また、揮発したモリブデンフッ化物は、再度、沈殿物の生成に使用することが可能である。開発した技術を検証するために、高レベル廃液を模擬した試験溶液を用いたジルコニウム沈殿生成とフッ化分離試験を実施したところ、回収率93%でジルコニウムを回収できることを確認した。
 ◆核変換
 原子核が放射壊変や人工的な核反応によって他の種類の原子核に変わること。ここでは、LLFPをターゲットとし、中性子ビームなどを照射して安定な核種または短半減期の核種に変換することをさす。
 ◆長寿命核分裂生成物(LLFP)
 原子炉内でウラン燃料の核分裂反応が起きる際に生成する放射性核種のうち、半減期が非常に長い核種。セレン-79(半減期:29.5万年)、ジルコニウム-93(半減期:153万年)、パラジウム-107(半減期:650万年)、セシウム-135(半減期:230万年)などが含まれる。
 ◆半減期
 ある放射性核種が、放射壊変によってそのうちの半分が別の核種に変化するまでの時間。
 ◆沈殿法
 溶液中に溶解した物質を化学操作などにより固体化させ、溶液中で集積し液の底に沈降させて分離する方法。
 ◆フッ化物揮発法
 いろいろな元素のフッ化物(フッ素化合物)の揮発性の差を利用して、元素の分離、回収を行う方法。

 今日の天気は晴れ。気温も暖かく、最高気温17℃とか。
 近くの公園に”ヨソゴ”が植えられており、6月頃には”ソヨゴ”の花が咲いていた。秋だから、と思って近寄ったら赤い実が付いている。葉の上に乗っかるような姿だ。”ソヨゴ”は雌雄異株なので、この木は雌株。
 名(ソヨゴ)の由来は、風が吹くと葉などがこすれて音をたてて揺れる(→戦ぐ:そよぐ)さまから。別名に”フクラシバ”があるが、葉を熱すると膨れて音を立てて弾ける事から、岡山県では「ふくらしorふくらしば」と呼ぶそうだ。
 ソヨゴ(冬青、戦)
 別名:フクラシバ
 モチノキ科モチノキ属
 常緑広葉樹(中高木)
 雌雄異株
 原産地は日本
 開花時期は6月
 花色は白、花弁は5枚(4枚もある)で長さ2mm程
 果実は径8mm位で、秋に稔り、橙色~赤色に熟す
 果実の色に、黄色(キミソヨゴと呼ぶ)のものがある