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肌セラミド量を増加させる革新的な化粧品素材を開発

2020-01-13 | 健康・病気
 富山大学附属病院薬剤部(加藤敦准教授)は、株式会社伏見製薬所と公益財団法人かがわ産業支援財団と共に経済産業省の補助事業である戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を受け、セラミド合成酵素(CERS3)の亢進とセラミド分解酵素(CDase)阻害のデュアルアクションによって肌セラミド量を増加させる革新的な化粧品素材の開発に成功した。また同企業より2019年4月から販売を開始した。本成果を1月20日からの幕張メッセで開催される「第10回 化粧品開発展(COSME Tech 2020)」内アカデミックフォーラムに出展し発表。
 産官学連携の成果により生まれた独自の水溶性の天然由来化粧品素材である。今回販売を開始した化粧品素材は、保湿性に優れるとともに、表皮細胞の分化促進作用(肌ターンオーバー促進作用)も有することから今後、幅広い化粧品への配合が期待される。
 研究の背景
 正常な肌表皮は、体内からの過度な水分蒸散の防止や、外界からの刺激の侵入を防ぐバリアとして重要な役割を担っている。現在、化粧品市場には肌のセラミドを補う目的で植物セラミドや合成セラミドなどの疑似セラミドを肌に塗布する化粧品が多く見られる。これらは一時的に肌のセラミドを補うことはできるものの、肌本来のセラミド産生機能を向上させるものではない。化粧品業界では以前より疑似セラミドやセラミド原料を肌や経口から摂取するのではなく、肌のセラミド産生機能に働きかけることで、ヒト本来の健康な肌を実現させる「肌の内側から体内美容成分を増やす化粧品原料」が求められてきた。
 〇皮膚機能におけるセラミドの重要性
 セラミドは親水基と疎水基を持ち、角質細胞間で脂質二重層構造を形成することにより水分を挟み込み、水層と脂質層が交互に重なったラメラ構造をとる。このラメラ構造により水分が保持され、角質細胞間の隙間を埋めることで角質細胞が容易に剥離しないようになっている。
 肌の水分を保つ役割への寄与
 ----セラミド 約80%
 ----NMF(天然保湿因子) 約18%
 ----皮脂 約2%
  角質層--ラメラ構造(セラミド+水分、セラミド+水分 互層)
  顆粒層
  有棘層
  基底層
 〇ラメラ構造
 セラミド量の増加が及ぼす3つの効果
 セラミド量が低下することで異物など外部からの刺激が肌内部に侵入しやすくなり、肌内部からの水分蒸発量である経表皮水分蒸散量(TEWL : transepidermal water loss) が増大することが報告されている。また、セラミド量の低下は、しわや たるみの原因となる。
 研究の概要
 加齢に伴い低下する肌セラミド量や代謝機能、不足した成分を外から補うのではなく、肌本来の機能を回復させ「肌の内側から体内美容成分を増やす化粧品」をコンセプトとした機能性化粧品素材である。
 1) 内因性セラミドの増加作用
 正常ヒト表皮ケラチノサイト (PHK16-0b )を50 μM ginnalin B 添加培地で48 時間培養し、セラミド合成酵素遺伝子(CERS3)に対する発現解析を行ったところ、ginnalin B 無添加での培養時と比べ、セラミド合成酵素遺伝子の有意な発現上昇が確認された。更に50-100 μMginnalin B 存在下で48 時間培養したPHK16-0b 細胞では、ginnalin B 無添加で培養した場合に比べ、細胞内セラミドの産生量が濃度依存的に増加した。
 2) 表皮細胞の分化促進作用
 正常ヒト表皮ケラチノサイト (PHK16-0b )に 各濃度のginnalin B を添加し、48 時間または72時間培養し、分化関連遺伝子に対する発現解析を行ったところ、ginnalin B 無添加での培養時と比べ、ケラチノサイトの初期分化マーカーであるケラチン10、ケラチン1 および後期分化マーカーであるフィラグリン遺伝子の有意な発現上昇が確認された。
 3) 分化関連タンパク質の産生促進
 ヒト皮膚三次元モデル(EpiDerm Skin. Model EPI-212)を100 μM ginnalin B 添加培地で7日間培養し、分化関連タンパク質(ケラチン10、フィラグリン)の免疫染色を行ったところ、ginnalin B 無添加での培養時と比べ、ケラチン10、フィラグリンの染色が増加し、分化関連タンパク質の産生量の増加が確認された。
 ◆補足説明
 〇 戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)
 サポインとはサポーティングインダストリーの略で、日本の製造業を支える中小企業の「ものづくり基盤技術」を指す。戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)は「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく支援策の一環として、同法により「研究開発等計画」の認定を受けた中小企業者を国が補助することにより、ものづくり基盤技術の高度化に貢献できる研究開発について、事業化に向けた取り組みを支援する事業です。
 〇Ginnalin B について
 サトウカエデやアメリカハナノキなどメープルシロップを産生するカエデ科植物の原木に含まれる希少な天然物です。希少糖である1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)のC6位の水酸基に没食子酸が結合したカエデタンニンの一種です。カエデタンニンは植物中に含まれる糖質やポリフェノール類、着色成分などとの分離が困難なことから、これまで化粧品素材として使用されてきませんでした。今回、経済産業省の補助事業である戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を受け、合成カエデタンニンの生産技術の開発に着手し、低コストかつ大量生産を可能にしました。
 表示成分
 化学名 :6-O-galloyl-1,5-anhydroglucitol
 INCL名:Anhydroglucityl Gallate
 化粧品成分表示名称(粧工連):没食子酸無水ソルビトール
 CAS No.:82151-97-1

 今日の天気は、午前は曇りで時々小雨、午後から晴れ。最高気温は8℃、最低気温2℃。
 クリスマスに飾られるホーリーやモミの木には魔よけがあると言う。これらはキリストの被った茨の冠の「受難」を意味し、赤い実は「流した血」として飾られ情熱を表わし、常緑の葉は永遠の命を象徴すると言う。
 クリスマスホーリーと呼ばれるものには、シナヒイラギ(ヒイラギモチ、チャイニーズホーリー)、セイヨウヒイラギ(イングリッシュホーリー)、アメリカヒイラギ(アメリカンホーリー)があるが、モチノキ科モチノキ(イレックス)属の近縁種や交雑種などの赤・黄の実が付くものを含めてホーリーと呼ぶこともあるようだ。
 クリスマスホーリーとは、正確には、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)の事であるが、よく見かけるのはシナヒイラギ(ヒイラギモチ)である。これは、セイヨウヒイラギやアメリカヒイラギは高木(樹高数m以上)であるが、シナヒイラギは横に広がる低木なので扱い易く、果実も大きいので日本では寄せ植えや鉢植えなどで使われている。
 散歩で見つけたのは、”ヒイラギモチ(チャイニーズホーリー)”。赤い実がまだ沢山付いている。・・少し遅れたクリスマス・・かな。
 ヒイラギモチ(柊黐)
 別名:クリスマスホーリー、チャイニーズ・ホーリー、支那柊(しなひいらぎ)、柊擬(ひいらぎもどき)
 学名:Ilex aquifolia
 モチノキ科モチノキ(イレックス)属
 原産地は中国
 常緑低木(樹高は2m~5m)
 葉は厚く刺があり、光沢がある
 花期は4月~6月、花径は数mm、花色は黄緑色
 実の鑑賞期は11月~翌2月、実は径1cm弱の球形で秋に赤くなる
 雌雄異株だが雌木の受精なくても結実する
   単為結果(たんいけっか)と言う、普通は種なしとなる