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高活性・高耐久性のエステル化に有効な固定化高分子酸触媒の開発に成功

2020-02-20 | 科学・技術
 理化学研究所環境資源科学研究センターグリーンナノ触媒研究チームの山田陽一チームリーダー、自然科学研究機構分子科学研究所の魚住泰広教授らの共同研究チームは、既存の固定化高分子酸触媒よりも高収率(高活性)で、かつ工業的に重要なフロー型反応に適用可能な高耐久性のエステル化に有効な固定化高分子酸触媒の開発に成功した。本研究は、米国の科学雑誌「Organic Letters」のオンライン版に12月16日付で掲載。
 背景
 カルボン酸とアルコールから得られるエステル化合物は、化成品、医薬品などさまざまな化学製品に用いられる重要な有機化合物である。これまで化学プロセス業界、医薬品プロセス業界から高収率(高活性)で耐久性に優れ、水にも有機溶媒にも溶けない高堅牢性の固定化高分子酸触媒の開発が求められてきた。
 山田陽一チームリーダーらは、2013~16年にかけて第一世代型の高分子酸触媒(ポリフェノールスルホン酸樹脂触媒)の開発を行い、エステル化反応に適用してきた(*)。しかし、この第一世代型固定化高分子酸触媒は、触媒調製時とエステル化反応時のいずれにおいても、高温条件下ではパラ位のフェノール基の関与による脱硫酸が生じるという問題があり、活性・耐久性・堅牢性などの面において十分とはいえず、さらなる改良が必要であった。
 (*)2016年5月18日プレスリリース「副生成物処理が不要なエステル化反応の触媒を開発」
 研究手法と成果
 共同研究チームは、フェノール基の関与が低いと考えられるメタ位にフェノール基を持つメタフェノールスルホン酸を原料として用い、ホルムアルデヒドと重合させることにより、第二世代型ポリフェノールスルホン酸樹脂触媒を合成。この高分子酸触媒は堅牢性と化学的安定性に優れる高分子化合物であることが確認された。
 次に、第二世代型触媒の耐久性を検証するため、アクリル酸とメタノールのフラスコを用いたバッチ型反応を繰り返しおこなった。その結果、第一世代型触媒では数回の使用で触媒活性が低下したのに対し、第二世代型触媒では10回繰り返し使用しても触媒活性は低下することなく、アクリル酸メチルが生成された。また、一般的な触媒ではエステル化反応を進行させるために、エステル化で生成する水を除去し、化学平衡を右にずらす必要があるが、第二世代型触媒も第一世代型触媒と同様に、この操作が不要であった。
 さらに、第二世代型触媒を工業的に重要なフロー型エステル化反応に適用した。カラムカートリッジに充填した触媒を用いて、アクリル酸とエタノールのエステル化反応を行ったところ、市販の各種高分子酸触媒よりも高い収率でアクリル酸エチルが生成されることが分かった。また、さまざまなカルボン酸とアルコールの組み合わせでフロー型反応を行った結果、いずれの場合も高い収率で対応するエステル化合物が生成された。
 加えて、オレイン酸とリノレン酸をそれぞれメタノールとフロー型で反応させた。どちらも15日間ずつ稼働させた結果、触媒活性が低下することなく、対応するバイオディーゼル燃料が90%以上の収率で得られた。
 今後の期待
 今回開発した第二世代型高分子酸触媒を用いたフロー型エステル化合物合成システムでは、さまざまなエステル化合物が高い収率で効率的に得られます。今後、より効率的な化学プロセス、医薬品合成プロセスの開発が期待できる。
 ◆補足説明
 〇高分子酸触媒
 高分子に酸(ここではスルホン酸)が導入された触媒。
 〇フロー型、バッチ型
 フラスコやタンクなどの閉鎖系で行う反応のバッチ型に対し、フロー型の反応は連続的に反応液を流通させて行う。フロー型は連続運転が可能なため、連続的に生成物が得られる利点がある。
 〇エステル化
 カルボン酸とアルコールが反応して、エステルと水が生成する反応。
 〇エステル化合物
 エステル (ester) は、有機酸または無機酸のオキソ酸とアルコールまたはフェノールのようなヒドロキシ基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物である。単にエステルと呼ぶときはカルボン酸とアルコールから成るカルボン酸エステル (carboxylate ester) を指すことが多く、カルボン酸エステルの特性基 (R-COO-R') をエステル結合 (ester bond) と呼ぶ事が多い。エステル結合による重合体はポリエステル (polyester) と呼ばれる。また、低分子量のカルボン酸エステルは果実臭をもち、バナナやマンゴーなどに含まれている。
 〇固定化触媒
 触媒反応部位が不溶性の担体に固定化された触媒のこと。ここではスルホン酸が高分子担体に固定されている。
 〇バイオディーゼル燃料
 脂肪酸メチルエステルのこと。オレイン酸などの植物油とメタノールから合成される脂肪酸メチルエステルは、ディーゼル燃料と似た燃料特性を持つためバイオディーゼル燃料と呼ばれている。
 〇パラ位、メタ位
 ベンゼン環の置換基(ここではOH)の隣をオルト位、炭素を一つ挟んだ隣をメタ位、さらにその隣をパラ位と呼ぶ。

 今日の天気は晴れ。気温は、最高気温10°・最低気温0°・・3月上旬の天気だ・とか。
 街中の公園の入り口に”サザンカ”が植えられている。赤い花が咲いている。青い空、緑の葉、赤い花・・綺麗だ。
 冬の季節に咲く花は少ない。”サザンカ”は晩秋から初冬にかけて咲き始め、翌年の1月・2月までと長い間咲いている。同じツバキ科ツバキ属のツバキ(椿)は2月頃より咲き出す。
 ”サザンカ”を「山茶花」と書くが、「山茶花」は椿(つばき)の漢名、なので誤用なのだ、と言う。”サザンカ”の名は、山茶花(さんさか)→茶山花(ささんか)→さざんか、からと言う。
 因みに、”サザンカ”は同属同科の椿(つばき)良くと似ているので見分け方が難しい。”サザンカ”は葉縁がギザギザして、花びらがバラバラに散る。”ツバキ(椿)”は葉が細長と少し大きくでギザギザがなくて、花は首から落ちる。
 サザンカ(山茶花)
 別名:岩花火(いわはなび)、姫椿(ひめつばき)、藪山茶花(やぶさざんか)
 学名:Camellia sasanqua
 ツバキ科ツバキ(カメリア)属
 常緑小高木
 原産地は日本
 開花時期は10月~翌2月
 花径は5cm~7cm、花色は白・桃・赤など
 沢山の園芸品種があり、サザンカ系、ハルサザンカ系、カンツバキ系の3大グループがある