日本学士院は、優れた業績を上げた研究者に贈る日本学士院賞に、哺乳類で生殖細胞が発生する仕組みを解明した斎藤通紀・京都大高等研究院教授ら9人を選んだと発表した(4月6日)。斎藤氏には恩賜賞も贈る。自然保護分野の優れた研究を隔年でたたえる日本学士院エジンバラ公賞に、北潔・長崎大熱帯医学・グローバルヘルス研究科長を選んだ。
日本学士院賞・恩賜賞
斎藤通紀:京都大教授、細胞生物学・発生生物学。哺乳類の多能性幹細胞から生殖細胞を作り出す研究で、発生機構を解明。49歳。
日本学士院賞
田口正樹:東京大教授、西洋法制史。中世後期ドイツの国王裁判権の実態を、史料に基づき解明。54歳。
神林龍:一橋大教授、労働経済学。非正規雇用の増加原因の分析などを通じ、日本の労働市場の全体像を提示。48歳。
川合真紀:分子科学研究所長、物理化学・表面科学。固体表面に吸着した分子の研究で、触媒の機構解明に貢献。68歳。
小嶋稔:東大名誉教授、地球惑星物理学。希ガスの同位体分析で、地球の大気や海の起源、進化論の基礎を構築した。89歳。
岡田恒男:東大名誉教授、建築学。鉄筋コンクリート製の建築物の耐震性能を表す指標を開発し、耐震診断や改修に貢献。84歳。
喜連川優:国立情報学研究所長、情報学。大量のデータ処理を飛躍的に高速化させる手法を開発。64歳。
佐野輝男:弘前大教授、ウイロイド学。農作物に被害をもたらすウイロイドの病原性を解明し、診断や防除に貢献。64歳。
間野博行:国立がん研究センター研究所長、ゲノム医科学・分子腫瘍学。肺がんの原因遺伝子を発見。がんゲノム医療の発展に貢献。60歳。
日本学士院エジンバラ公賞
北潔:長崎大熱帯医学・グローバルヘルス研究科長、生化学・寄生虫学。細菌や寄生虫、がん細胞などが低酸素環境に適応する仕組みを解明、新薬開発に向けた研究につなげた。69歳。
〇授賞理由(斎藤通紀) 日本学士院より
斎藤通紀氏は、マウス生殖細胞の形成機構を解明し、マウス多能性幹細胞から始原生殖細胞様細胞を試験管内で誘導、精子や卵子、健常な産仔を作出することに成功しました。その実験系に基づき、エピゲノムリプログラミングや卵母細胞分化機構・減数分裂誘導機構など、生殖細胞の発生における基幹現象の分子機構を解明しました。斎藤氏は、カニクイザル初期胚の発生機構を解析し、マウス・サル・ヒトにおける多能性細胞系譜の特性や霊長類生殖細胞の発生機構を解明するとともに、ヒトiPS細胞から始原生殖細胞様細胞、さらに卵原細胞を誘導し、ヒト生殖細胞発生過程の試験管内再構成研究の礎を築きました。斎藤氏の研究は、生命の根源たる生殖細胞の発生機構を解明することでヒトや霊長類の進化機構を明らかにするのみならず、不妊や遺伝病・エピゲノム異常の原因究明につながり、医学に新しい可能性を提示するものです。
用語解説
多能性幹細胞
自己複製能力と、身体を構成するほぼ全ての細胞に分化する能力を持つ細胞。受精卵から発生する胚盤胞を培養することで樹立される胚性幹細胞(embryonic stem cells: ES細胞)や、皮膚等の体細胞に特定因子を導入することで作製される人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells: iPS細胞)の総称。
始原生殖細胞
発生初期に形成される、精子や卵子の起源となる細胞。始原生殖細胞は、オスでは前精原細胞を経て精原細胞、精子へと、メスでは卵原細胞を経て卵母細胞、卵子へと分化する。始原生殖細胞様細胞は、多能性幹細胞から試験管内で誘導した、始原生殖細胞によく似た性質を持つ細胞。
エピゲノムリプログラミング
DNAの塩基配列を変えることなく、DNAやヒストンタンパク質に付与される様々な化学修飾(メチル化やアセチル化等)を介して遺伝子の働きを制御する仕組みをエピジェネティク制御と呼ぶ。エピゲノムとはエピジェネティク制御が付与されたゲノムの総体のことで、エピゲノムリプログラミングとは、始原生殖細胞の発生中にエピゲノムが大規模に再編成されることをいう。
減数分裂
父母由来の一対の染色体を持つ細胞(二倍体:始原生殖細胞、精原細胞、卵原細胞等)から、一倍体の細胞(精子、卵子)を形成する細胞分裂のことで、生殖細胞特異的に起こる。減数分裂前期では父母由来の相同染色体の間で組換えが起こり、その後、2回の細胞分裂により、まず相同染色体が、次に姉妹染色分体が分離され、一倍体の配偶子(精子、卵子)が形成される。相同染色体間の組換えにより新たな遺伝情報の組み合わせを持つ染色体が形成され遺伝的多様性を創り出す。
朝から晴れ。夕方から夜にかけて雨の予報。・・畑にとっては恵の雨となる。
道沿いの空き地で咲いている花、スズランの様な・”スイセン”の様な・”スノーフレーク”。フレーク・・小雪のかたまり”の意味らしい。別名は鈴蘭水仙(すずらんずいせん)、スズランに似た白い花の花弁の先に緑色の斑点が特徴だ。
似た花に、”スノードロップ”があり、緑色の斑点が内冠にあるのが特徴。私は、両者を取り違える事が多い・・何故だろう。”スノードロップ(ガランツス・エルウィジー)”は、ヒガンバナ科ガランサス属、開花期は2月~3月である。
スノーフレーク(Giant Snowflake)
別名:鈴蘭水仙(すずらんすいせん)、大待雪草(おおまつゆきそう)
学名:Leucojum aestivum
ヒガンバナ科スノーフレーク属
原産地は地中海沿岸
多年草(秋植の球根草)
開花時期は3月~5月
地際から花茎を1~数本伸ばし、先端に花が数輪咲く
花径は1.5cm程で釣り鐘状
花色は白、花びらの先端に緑色の斑点
日本学士院賞・恩賜賞
斎藤通紀:京都大教授、細胞生物学・発生生物学。哺乳類の多能性幹細胞から生殖細胞を作り出す研究で、発生機構を解明。49歳。
日本学士院賞
田口正樹:東京大教授、西洋法制史。中世後期ドイツの国王裁判権の実態を、史料に基づき解明。54歳。
神林龍:一橋大教授、労働経済学。非正規雇用の増加原因の分析などを通じ、日本の労働市場の全体像を提示。48歳。
川合真紀:分子科学研究所長、物理化学・表面科学。固体表面に吸着した分子の研究で、触媒の機構解明に貢献。68歳。
小嶋稔:東大名誉教授、地球惑星物理学。希ガスの同位体分析で、地球の大気や海の起源、進化論の基礎を構築した。89歳。
岡田恒男:東大名誉教授、建築学。鉄筋コンクリート製の建築物の耐震性能を表す指標を開発し、耐震診断や改修に貢献。84歳。
喜連川優:国立情報学研究所長、情報学。大量のデータ処理を飛躍的に高速化させる手法を開発。64歳。
佐野輝男:弘前大教授、ウイロイド学。農作物に被害をもたらすウイロイドの病原性を解明し、診断や防除に貢献。64歳。
間野博行:国立がん研究センター研究所長、ゲノム医科学・分子腫瘍学。肺がんの原因遺伝子を発見。がんゲノム医療の発展に貢献。60歳。
日本学士院エジンバラ公賞
北潔:長崎大熱帯医学・グローバルヘルス研究科長、生化学・寄生虫学。細菌や寄生虫、がん細胞などが低酸素環境に適応する仕組みを解明、新薬開発に向けた研究につなげた。69歳。
〇授賞理由(斎藤通紀) 日本学士院より
斎藤通紀氏は、マウス生殖細胞の形成機構を解明し、マウス多能性幹細胞から始原生殖細胞様細胞を試験管内で誘導、精子や卵子、健常な産仔を作出することに成功しました。その実験系に基づき、エピゲノムリプログラミングや卵母細胞分化機構・減数分裂誘導機構など、生殖細胞の発生における基幹現象の分子機構を解明しました。斎藤氏は、カニクイザル初期胚の発生機構を解析し、マウス・サル・ヒトにおける多能性細胞系譜の特性や霊長類生殖細胞の発生機構を解明するとともに、ヒトiPS細胞から始原生殖細胞様細胞、さらに卵原細胞を誘導し、ヒト生殖細胞発生過程の試験管内再構成研究の礎を築きました。斎藤氏の研究は、生命の根源たる生殖細胞の発生機構を解明することでヒトや霊長類の進化機構を明らかにするのみならず、不妊や遺伝病・エピゲノム異常の原因究明につながり、医学に新しい可能性を提示するものです。
用語解説
多能性幹細胞
自己複製能力と、身体を構成するほぼ全ての細胞に分化する能力を持つ細胞。受精卵から発生する胚盤胞を培養することで樹立される胚性幹細胞(embryonic stem cells: ES細胞)や、皮膚等の体細胞に特定因子を導入することで作製される人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells: iPS細胞)の総称。
始原生殖細胞
発生初期に形成される、精子や卵子の起源となる細胞。始原生殖細胞は、オスでは前精原細胞を経て精原細胞、精子へと、メスでは卵原細胞を経て卵母細胞、卵子へと分化する。始原生殖細胞様細胞は、多能性幹細胞から試験管内で誘導した、始原生殖細胞によく似た性質を持つ細胞。
エピゲノムリプログラミング
DNAの塩基配列を変えることなく、DNAやヒストンタンパク質に付与される様々な化学修飾(メチル化やアセチル化等)を介して遺伝子の働きを制御する仕組みをエピジェネティク制御と呼ぶ。エピゲノムとはエピジェネティク制御が付与されたゲノムの総体のことで、エピゲノムリプログラミングとは、始原生殖細胞の発生中にエピゲノムが大規模に再編成されることをいう。
減数分裂
父母由来の一対の染色体を持つ細胞(二倍体:始原生殖細胞、精原細胞、卵原細胞等)から、一倍体の細胞(精子、卵子)を形成する細胞分裂のことで、生殖細胞特異的に起こる。減数分裂前期では父母由来の相同染色体の間で組換えが起こり、その後、2回の細胞分裂により、まず相同染色体が、次に姉妹染色分体が分離され、一倍体の配偶子(精子、卵子)が形成される。相同染色体間の組換えにより新たな遺伝情報の組み合わせを持つ染色体が形成され遺伝的多様性を創り出す。
朝から晴れ。夕方から夜にかけて雨の予報。・・畑にとっては恵の雨となる。
道沿いの空き地で咲いている花、スズランの様な・”スイセン”の様な・”スノーフレーク”。フレーク・・小雪のかたまり”の意味らしい。別名は鈴蘭水仙(すずらんずいせん)、スズランに似た白い花の花弁の先に緑色の斑点が特徴だ。
似た花に、”スノードロップ”があり、緑色の斑点が内冠にあるのが特徴。私は、両者を取り違える事が多い・・何故だろう。”スノードロップ(ガランツス・エルウィジー)”は、ヒガンバナ科ガランサス属、開花期は2月~3月である。
スノーフレーク(Giant Snowflake)
別名:鈴蘭水仙(すずらんすいせん)、大待雪草(おおまつゆきそう)
学名:Leucojum aestivum
ヒガンバナ科スノーフレーク属
原産地は地中海沿岸
多年草(秋植の球根草)
開花時期は3月~5月
地際から花茎を1~数本伸ばし、先端に花が数輪咲く
花径は1.5cm程で釣り鐘状
花色は白、花びらの先端に緑色の斑点