理化学研究所の高本将男 専任研究員と東京大学大学院工学系研究科の香取秀俊教授(理化学研究所チームリーダー/主任研究員)らの共同研究グループは、島津製作所と共同で18桁精度の超高精度な可搬型光格子時計を開発した。成果は英国の光学専門誌「Nature Photonics(ネイチャー・フォトニクス)」に日本時間4月7日に掲載。
東京スカイツリーの地上階と地上450メートルの展望台に設置した2台の時計の進み方の違いを測定し、この結果を国土地理院が測定した標高差と比較することで、一般相対性理論を従来の衛星を使った実験に迫る精度で検証することに成功した。原子時計を人工衛星やロケットに搭載して、宇宙空間と地表の間で約1万キロメートルの高低差をつけることで測定された従来の宇宙実験に比べて、今回開発した可搬型光格子時計を使うことで、1万倍以上少ない高低差で、同等の実験が可能になった。
一般相対論的効果の多くは「宇宙スケール」の現象として議論されてきたが、18桁精度の原子時計では、わずか数センチメートルの「日常的なスケール」の高さの違いで時間の遅れが観測できる。この結果、従来の技術の範疇では考えられることのなかった、新たな「相対論的センシング技術」が誕生する。これまで実験室環境で実証されてきた超高精度な光格子時計の小型化・可搬化と実験室外運転の実証は、この「相対論的センシング技術」の実用化に向けた大きな突破口である。
高精度な可搬型光格子時計は、プレート運動や火山活動などによる地殻の数センチメートル精度の上下変動の監視、GNSS(全球測位衛星システム)や高感度重力計と補完的に利用できる超高精度な標高差・重力場計測システムの確立など、将来の社会基盤への実装が期待される。
ポイント
〇18桁の精度(百億年に一秒のずれに相当)をもつ可搬型光格子時計の開発に世界で初めて成功した。
〇東京スカイツリーの地上階と展望台に設置した2台の可搬型光格子時計を使って重力赤方偏移を高精度に観測し、一般相対性理論を検証した。本研究で得られた検証精度は、従来、1万キロメートルの高低差を必要とした衛星を用いた実験に迫る。
〇高精度な可搬型光格子時計の実験室外運転の実証は、光格子時計の社会実装に向けた大きな一歩である。今後、プレート運動や火山活動などに伴う地殻変動の監視など相対論的センシング技術の実用化が期待される。
成果
これまで、最高性能のセシウム原子時計(16桁精度)を使っても、数日測定を続けてやっと10メートルの高低差による時間の遅れを観測できる程度であった。このため、相対論的効果で標高計測を行うことの(他の測量手法に対する)優位性を見出すことは困難であった。
可搬型光格子時計を東京スカイツリーの地上階と展望台の2カ所に置き、それぞれが示す時間の進み方の違いを計測した。その結果、展望台では1日あたり4.26ナノ秒(ナノは10億分の1)、地上よりも時間が速く進んでいた。この差を基に、両者の高低差が452.603メートル、不確かさ39ミリであることが求められた。一方、確認のためにレーザーで高低差を測ると452.596メートル、不確かさ13ミリとなり高精度で一致した。可搬型光格子時計が、従来の実験室のものと同程度の性能を発揮することが示された。
発表内容
高精度な原子時計は、高精度に同期された時刻を必要とする高速大容量通信や衛星測位など現代社会の基幹技術である。現在、セシウム原子時計によって国際単位系の1秒が定義され、5千万年に1秒のずれに相当する精度が実現されている。この精度を100倍以上改善する光格子時計は、次世代の「秒」の定義の有力候補として注目され、世界中で研究が進んでいる。その精度はおよそ百億年に一秒のずれ(18桁の精度)に相当する。
このような高精度な原子時計では、地上でわずか数センチメートルの高さの違いで、アインシュタインの一般相対性理論から導かれる時間の遅れによる周波数の変化「重力赤方偏移」効果が観測可能になる。時計周波数の重力赤方偏移を利用した標高差の計測は、時計の新しい応用「相対論的センシング技術」として注目されている。しかし、高精度な原子時計は実験室内のみで稼働できる複雑な装置となっていた。高精度な原子時計の小型化・可搬化と実験室外でも安定に動作できる堅牢化は、「相対論的センシング技術」の実用化の課題となっていた。
研究グループは、実験室で使用していた大型光学定盤上のレーザー装置を含む光学系を集約し、制御系を含めてボックス化した。それにより、実験室環境で実現した時計の精度を劣化させることなく、システムの小型化・可搬化を実現し、実験室外の環境でも18桁精度を実現できるような可搬型ストロンチウム光格子時計を開発した。また、長時間安定に動作できるように合計17台のレーザー装置の周波数制御の自動化を図り、かつインターネット経由で遠隔操作が可能なシステムを構築した。
研究グループは、可搬型光格子時計を東京スカイツリーの地上階と展望台の2か所に設置し、約450メートルの標高差を与えた。これらの2台の光格子時計の周波数差を測定することで、重力赤方偏移を求めた。この一方、GNSS測量、水準測量、レーザー測距などによる標高差測定と相対重力計による重力測定を組み合わせることで、2台の時計のおかれた地点間の重力ポテンシャル差(単位質量あたりの位置エネルギー差)を求めた。こうして求めた重力赤方偏移と重力ポテンシャル差を比較することで、一般相対性理論の検証実験を行った。
実験の概要
原子の共鳴スペクトルが、450メートル標高差でおよそ21ヘルツ分ずれていることが観測された。それぞれの時計で、スペクトルのピークに常に共鳴するようにレーザー周波数を制御し、共鳴周波数の差を数日にわたって平均化することで、高精度に時計の周波数差Δνを計測した。およそ1週間の平均化によって、展望台の時計が地上階の時計よりも相対周波数がΔν/ν=(49,337.8±4.3)×10-18だけ高い(時間が早く進んでいる)ことが計測された。その後、2台の時計を理化学研究所に持ち帰り、同じ高さに設置して測定した結果、相対周波数差は(-0.3±4.7)×10-18、つまり、計測に使った時計は18桁の精度で一致していることが検証された。
一方、2台の時計の標高差Δhを、GNSS測量及び水準測量とレーザー測距の2つの方法で測定するとともに、相対重力計を使って重力加速度gを測定した。この結果から、2台の時計の重力ポテンシャル差gΔh/c2=(49,337.1±1.4)×10-18を得た。一般相対論によれば、重力赤方偏移は、重力ポテンシャル差に等しくなります(注)。時計で得られた重力赤方偏移と、従来の測定手法によって得られた重力ポテンシャル差を比較することで、この予言を(1.4±9.1)×10-5の精度で検証した。この成果は、およそ1万キロメートルの高低差を利用するロケット/人工衛星を使った相対論検証実験に迫る精度である。従来よりも1万倍高精度な原子時計を使うことで、宇宙実験に比べて1万倍以上少ない高低差で、同等の実験が可能になった。
このような高精度な可搬型光格子時計を使えば、GNSS測量では検出が困難な数センチメートル精度のプレート運動や火山活動による地殻の上下変動の監視や、数時間から数年という時間スケール(注)で起こる地殻変動(標高変化)を精密に観測できるようになる。また、GNSSや高感度重力計と補完的に利用できる超高精度な標高差計測・測位システムの確立や、地下資源探査、地下空洞、マグマ溜まりの検出など、光格子時計は将来の社会基盤となる可能性を秘めている。今後、光格子時計の実用化に向けて、さらなる時計の小型化、可搬化が加速され、新たな測地技術への応用が期待される。
◆用語解説
〇光格子時計
2001年、香取秀俊東京大学大学院工学系研究科准教授(当時)が考案した次世代の原子時計。まず、「魔法波長」と呼ばれる特別な波長のレーザー光を干渉させて作った微小空間(光格子)に、レーザー冷却された原子を1つずつ捕獲し、原子同士の相互作用が起きないようにする。次に、これらの原子にレーザー光を当て、光を吸収する「原子の振り子」の振動数を精密に測定する。この光の振動を数えて、1秒の長さを決める。光格子全体には多数の原子を捕獲できるので、それらの「原子の振り子」の振動数を一度に測定して平均をとることで、短時間で時間を決めることができる。
〇18桁の精度
時計の精度は、ある時間経過した後の時間のずれで評価する。例えば、月差10秒の腕時計なら、(10秒)/(ひと月はおよそ2,600,000秒)から計算される、およそ4×10-6が時計の精度である。これを指数の数字を取って、6桁の精度の時計という。18桁の精度は、およそ百億年の間測定するとやっと1秒ずれる精度である。このような時計の精度は、時計の振り子の振動数の精度で決まる。
〇一般相対性理論
アルベルト・アインシュタインによって築かれた現代物理の基本理論の1つである。物質のまわりに生じた時・空間のひずみとして重力場を表現する。重力の強いところでは時間はゆっくり流れることも一般相対論から導かれることの1つである。
〇重力赤方偏移
重力が強いほど時間の進み方が遅くなるという現象。重力場中での光の波長が伸びる(低い周波数にシフトする)ことから「赤方偏移」と呼ばれている。重力赤方偏移の検証は、異なる慣性系間での実験を比較することを意味しており、「重力場中の実験と等加速度運動する系での実験は区別できない」とするアインシュタインの等価原理を検証することに相当する。この等価原理が破れていると、一般相対性理論の出発点が危ぶまれることになる。本研究では、その意味で「一般相対性理論の検証」という言い方をしている。
〇注)
今回の実験のように重力ポテンシャル差が十分小さいとき、極めていい近似になります。
〇注)数時間から数年(以上)という時間スケールでセンチメートル精度の計測が可能なことも、光格子時計を使う相対論的センシング技術の特長である。光格子時計では多数の原子を使うことで短時間(数時間)で高精度な標高計測ができる。一方、原子時計の刻む時間は不変であることから、長期(数年、それ以上)の計測の安定性が保証される。このように、数時間から数年(以上)という時間スケールでセンチメートル精度が維持されることは、従来の水準測量や、GNSS測量にはない特長である。
天気は晴れ、雲が少し多い。風が少しあり、少し冷たい。・・少し・少しの世界!。
梅田川と仙石線が交差する所があり、堤防の近くに、”ハナモモ”が植えられている。この”ハナモモ”、花が咲き始めた。花は電車から見えるかな。
”モモ”には、果実を食用とする品種と、花を観賞する品種がある。花木として扱う品種は、”ハナモモ”と呼ばれる。”ハナモモ”は実を付けないと言われるが、幾らかは付いている。
”モモ”は縄文時代から栽培されており、江戸時代に”ハナモモ”の8品種の記述があり、この頃に改良が始まったとされる。現在の園芸品種の多くもこの時代のものが多いと言う。
名(モモ)の由来には、果実(実)が赤いので「もえみ(燃実)」から転訛で「もも」となった説がある。
花は桃の節句(雛祭り)に飾られる。桃の字の「兆」は「妊娠の兆し」の意味なので、桃が女性やひな祭りと関連があると言う。因みに、桃の木は万葉の頃から霊力のある木とされ、桃太郎(日本昔話)が有名だ。原典となる、「桃太郎の鬼退治」のお話は、中国から日本に伝わった話で、中国では犬は「仁」、猿は「知恵」、キジは「勇気」を示している、とか。
モモ(桃)、ハナモモ(花桃)
学名:Prunus persica
バラ科サクラ属
耐寒性落葉小高木
原産地は中国、桃の字は中国から
開花時期は3月~4月
花は5弁花、栽培される園芸品種は八重咲きが多い
花色は桃色・白色・紅色
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/42/6b74541efb2f6dbcf6bce09143aff457.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/d0/bcca9b3b77f0620b5413d3a9fc89f1c9.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/d3/aba3d688d51ba51f6e34d880f8088045.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/35/bd82a744f1fcf972d1019922b12a85a3.jpg)
東京スカイツリーの地上階と地上450メートルの展望台に設置した2台の時計の進み方の違いを測定し、この結果を国土地理院が測定した標高差と比較することで、一般相対性理論を従来の衛星を使った実験に迫る精度で検証することに成功した。原子時計を人工衛星やロケットに搭載して、宇宙空間と地表の間で約1万キロメートルの高低差をつけることで測定された従来の宇宙実験に比べて、今回開発した可搬型光格子時計を使うことで、1万倍以上少ない高低差で、同等の実験が可能になった。
一般相対論的効果の多くは「宇宙スケール」の現象として議論されてきたが、18桁精度の原子時計では、わずか数センチメートルの「日常的なスケール」の高さの違いで時間の遅れが観測できる。この結果、従来の技術の範疇では考えられることのなかった、新たな「相対論的センシング技術」が誕生する。これまで実験室環境で実証されてきた超高精度な光格子時計の小型化・可搬化と実験室外運転の実証は、この「相対論的センシング技術」の実用化に向けた大きな突破口である。
高精度な可搬型光格子時計は、プレート運動や火山活動などによる地殻の数センチメートル精度の上下変動の監視、GNSS(全球測位衛星システム)や高感度重力計と補完的に利用できる超高精度な標高差・重力場計測システムの確立など、将来の社会基盤への実装が期待される。
ポイント
〇18桁の精度(百億年に一秒のずれに相当)をもつ可搬型光格子時計の開発に世界で初めて成功した。
〇東京スカイツリーの地上階と展望台に設置した2台の可搬型光格子時計を使って重力赤方偏移を高精度に観測し、一般相対性理論を検証した。本研究で得られた検証精度は、従来、1万キロメートルの高低差を必要とした衛星を用いた実験に迫る。
〇高精度な可搬型光格子時計の実験室外運転の実証は、光格子時計の社会実装に向けた大きな一歩である。今後、プレート運動や火山活動などに伴う地殻変動の監視など相対論的センシング技術の実用化が期待される。
成果
これまで、最高性能のセシウム原子時計(16桁精度)を使っても、数日測定を続けてやっと10メートルの高低差による時間の遅れを観測できる程度であった。このため、相対論的効果で標高計測を行うことの(他の測量手法に対する)優位性を見出すことは困難であった。
可搬型光格子時計を東京スカイツリーの地上階と展望台の2カ所に置き、それぞれが示す時間の進み方の違いを計測した。その結果、展望台では1日あたり4.26ナノ秒(ナノは10億分の1)、地上よりも時間が速く進んでいた。この差を基に、両者の高低差が452.603メートル、不確かさ39ミリであることが求められた。一方、確認のためにレーザーで高低差を測ると452.596メートル、不確かさ13ミリとなり高精度で一致した。可搬型光格子時計が、従来の実験室のものと同程度の性能を発揮することが示された。
発表内容
高精度な原子時計は、高精度に同期された時刻を必要とする高速大容量通信や衛星測位など現代社会の基幹技術である。現在、セシウム原子時計によって国際単位系の1秒が定義され、5千万年に1秒のずれに相当する精度が実現されている。この精度を100倍以上改善する光格子時計は、次世代の「秒」の定義の有力候補として注目され、世界中で研究が進んでいる。その精度はおよそ百億年に一秒のずれ(18桁の精度)に相当する。
このような高精度な原子時計では、地上でわずか数センチメートルの高さの違いで、アインシュタインの一般相対性理論から導かれる時間の遅れによる周波数の変化「重力赤方偏移」効果が観測可能になる。時計周波数の重力赤方偏移を利用した標高差の計測は、時計の新しい応用「相対論的センシング技術」として注目されている。しかし、高精度な原子時計は実験室内のみで稼働できる複雑な装置となっていた。高精度な原子時計の小型化・可搬化と実験室外でも安定に動作できる堅牢化は、「相対論的センシング技術」の実用化の課題となっていた。
研究グループは、実験室で使用していた大型光学定盤上のレーザー装置を含む光学系を集約し、制御系を含めてボックス化した。それにより、実験室環境で実現した時計の精度を劣化させることなく、システムの小型化・可搬化を実現し、実験室外の環境でも18桁精度を実現できるような可搬型ストロンチウム光格子時計を開発した。また、長時間安定に動作できるように合計17台のレーザー装置の周波数制御の自動化を図り、かつインターネット経由で遠隔操作が可能なシステムを構築した。
研究グループは、可搬型光格子時計を東京スカイツリーの地上階と展望台の2か所に設置し、約450メートルの標高差を与えた。これらの2台の光格子時計の周波数差を測定することで、重力赤方偏移を求めた。この一方、GNSS測量、水準測量、レーザー測距などによる標高差測定と相対重力計による重力測定を組み合わせることで、2台の時計のおかれた地点間の重力ポテンシャル差(単位質量あたりの位置エネルギー差)を求めた。こうして求めた重力赤方偏移と重力ポテンシャル差を比較することで、一般相対性理論の検証実験を行った。
実験の概要
原子の共鳴スペクトルが、450メートル標高差でおよそ21ヘルツ分ずれていることが観測された。それぞれの時計で、スペクトルのピークに常に共鳴するようにレーザー周波数を制御し、共鳴周波数の差を数日にわたって平均化することで、高精度に時計の周波数差Δνを計測した。およそ1週間の平均化によって、展望台の時計が地上階の時計よりも相対周波数がΔν/ν=(49,337.8±4.3)×10-18だけ高い(時間が早く進んでいる)ことが計測された。その後、2台の時計を理化学研究所に持ち帰り、同じ高さに設置して測定した結果、相対周波数差は(-0.3±4.7)×10-18、つまり、計測に使った時計は18桁の精度で一致していることが検証された。
一方、2台の時計の標高差Δhを、GNSS測量及び水準測量とレーザー測距の2つの方法で測定するとともに、相対重力計を使って重力加速度gを測定した。この結果から、2台の時計の重力ポテンシャル差gΔh/c2=(49,337.1±1.4)×10-18を得た。一般相対論によれば、重力赤方偏移は、重力ポテンシャル差に等しくなります(注)。時計で得られた重力赤方偏移と、従来の測定手法によって得られた重力ポテンシャル差を比較することで、この予言を(1.4±9.1)×10-5の精度で検証した。この成果は、およそ1万キロメートルの高低差を利用するロケット/人工衛星を使った相対論検証実験に迫る精度である。従来よりも1万倍高精度な原子時計を使うことで、宇宙実験に比べて1万倍以上少ない高低差で、同等の実験が可能になった。
このような高精度な可搬型光格子時計を使えば、GNSS測量では検出が困難な数センチメートル精度のプレート運動や火山活動による地殻の上下変動の監視や、数時間から数年という時間スケール(注)で起こる地殻変動(標高変化)を精密に観測できるようになる。また、GNSSや高感度重力計と補完的に利用できる超高精度な標高差計測・測位システムの確立や、地下資源探査、地下空洞、マグマ溜まりの検出など、光格子時計は将来の社会基盤となる可能性を秘めている。今後、光格子時計の実用化に向けて、さらなる時計の小型化、可搬化が加速され、新たな測地技術への応用が期待される。
◆用語解説
〇光格子時計
2001年、香取秀俊東京大学大学院工学系研究科准教授(当時)が考案した次世代の原子時計。まず、「魔法波長」と呼ばれる特別な波長のレーザー光を干渉させて作った微小空間(光格子)に、レーザー冷却された原子を1つずつ捕獲し、原子同士の相互作用が起きないようにする。次に、これらの原子にレーザー光を当て、光を吸収する「原子の振り子」の振動数を精密に測定する。この光の振動を数えて、1秒の長さを決める。光格子全体には多数の原子を捕獲できるので、それらの「原子の振り子」の振動数を一度に測定して平均をとることで、短時間で時間を決めることができる。
〇18桁の精度
時計の精度は、ある時間経過した後の時間のずれで評価する。例えば、月差10秒の腕時計なら、(10秒)/(ひと月はおよそ2,600,000秒)から計算される、およそ4×10-6が時計の精度である。これを指数の数字を取って、6桁の精度の時計という。18桁の精度は、およそ百億年の間測定するとやっと1秒ずれる精度である。このような時計の精度は、時計の振り子の振動数の精度で決まる。
〇一般相対性理論
アルベルト・アインシュタインによって築かれた現代物理の基本理論の1つである。物質のまわりに生じた時・空間のひずみとして重力場を表現する。重力の強いところでは時間はゆっくり流れることも一般相対論から導かれることの1つである。
〇重力赤方偏移
重力が強いほど時間の進み方が遅くなるという現象。重力場中での光の波長が伸びる(低い周波数にシフトする)ことから「赤方偏移」と呼ばれている。重力赤方偏移の検証は、異なる慣性系間での実験を比較することを意味しており、「重力場中の実験と等加速度運動する系での実験は区別できない」とするアインシュタインの等価原理を検証することに相当する。この等価原理が破れていると、一般相対性理論の出発点が危ぶまれることになる。本研究では、その意味で「一般相対性理論の検証」という言い方をしている。
〇注)
今回の実験のように重力ポテンシャル差が十分小さいとき、極めていい近似になります。
〇注)数時間から数年(以上)という時間スケールでセンチメートル精度の計測が可能なことも、光格子時計を使う相対論的センシング技術の特長である。光格子時計では多数の原子を使うことで短時間(数時間)で高精度な標高計測ができる。一方、原子時計の刻む時間は不変であることから、長期(数年、それ以上)の計測の安定性が保証される。このように、数時間から数年(以上)という時間スケールでセンチメートル精度が維持されることは、従来の水準測量や、GNSS測量にはない特長である。
天気は晴れ、雲が少し多い。風が少しあり、少し冷たい。・・少し・少しの世界!。
梅田川と仙石線が交差する所があり、堤防の近くに、”ハナモモ”が植えられている。この”ハナモモ”、花が咲き始めた。花は電車から見えるかな。
”モモ”には、果実を食用とする品種と、花を観賞する品種がある。花木として扱う品種は、”ハナモモ”と呼ばれる。”ハナモモ”は実を付けないと言われるが、幾らかは付いている。
”モモ”は縄文時代から栽培されており、江戸時代に”ハナモモ”の8品種の記述があり、この頃に改良が始まったとされる。現在の園芸品種の多くもこの時代のものが多いと言う。
名(モモ)の由来には、果実(実)が赤いので「もえみ(燃実)」から転訛で「もも」となった説がある。
花は桃の節句(雛祭り)に飾られる。桃の字の「兆」は「妊娠の兆し」の意味なので、桃が女性やひな祭りと関連があると言う。因みに、桃の木は万葉の頃から霊力のある木とされ、桃太郎(日本昔話)が有名だ。原典となる、「桃太郎の鬼退治」のお話は、中国から日本に伝わった話で、中国では犬は「仁」、猿は「知恵」、キジは「勇気」を示している、とか。
モモ(桃)、ハナモモ(花桃)
学名:Prunus persica
バラ科サクラ属
耐寒性落葉小高木
原産地は中国、桃の字は中国から
開花時期は3月~4月
花は5弁花、栽培される園芸品種は八重咲きが多い
花色は桃色・白色・紅色
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